小笠原良知や、その他、いろいろ考察 -3ページ目

小笠原良知や、その他、いろいろ考察

小笠原良知や、その他、いろいろ考察

例えば反自然哲学的なソクラテス哲学も、やがてアリストテレスによって、ソクラテス以前のギリシア哲学――自然哲学――にまで救助の綱を投げ渡すのである。
 ヘレニズムのギリシア・ローマ期以後からはヘブライ的キリスト教的な非自然科学的体系がこのギリシア哲学に移入され、やがて逆にこの宗教的体系がギリシア哲学の体系を支配して了ったが(プラトンやアリストテレスのキリスト教的改釈)、併しその結果が取りも直さず欧州中世期に於ける「一千年の暗黒」と呼ばれたものに外ならない。暗黒とは外でもない、宗教的教理やゴシック芸術の素晴らしい発達にも拘らず、自然科学的進歩が欠けていたということの外ではない。この間に自然科学はアラビアの自然哲学として発達し、それがルネサンスに至って再び欧州の哲学体系の内に呼びもどされる。封建制度の夜が明けて近世初期の資本主義の朝が来る。之が所謂古典復興なのである。そしてこの古典復興の内から初めて、今日の自然科学が発育することが出来、また同時に今日の理論的な哲学も自由に展開することが出来たのである*。西洋哲学、吾々の哲学、は自然科学との契約・共軛性を守ることによって、初めて哲学として生き還えることが出来たのである。
実験[#「実験」に傍点]の意義を最初に高唱したものはレオナルド・ダ・ヴィンチであり、近世哲学の先駆をなしたものはクサヌスやカンパネラであった。――今日人々が科学的[#「科学的」に傍点]なものに対立させる個性[#「個性」に傍点]の概念も、実はこの時、之等のものとの連繋の下に初めて生まれた概念だということを注意せねばならぬ。

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