多くのイラストレーターが目標としているのが出版と広告です。
この２つを目指しているという話はほんと良く聞きます。
確かに華やかな感じがあって良いですよね。
自分のイラストが本の表紙を飾ったら嬉しいでしょうし
挿絵でも十分嬉しいもんだと思います。
ましてや自分のイラスト集や絵本を出版できるなんてのは憧れ中の憧れでしょう。
そして広告の場合だと、単価も高くてやりがいのある大きな仕事を頼まれたりすれば
かなり充実したビジネスライフを送れることと思います。
しかし、出版や広告にも穴があります。
それは主導権は相手が握っているという事。
つまり、相手が
あなたはもういらないよ～
と言ってきたら終了なわけです。
自分にはどうにもできないのです。
１０年間付き合いをしていたとしても明日切られるかもわかりません。
相手もビジネスでやってるわけですから、あなたより優れた描き手が見つかればあっさり切られる可能性だってあるわけです。
出版は長く付き合えると言われていますが、こういったリスクも抱えているのです。
広告だって高単価の仕事を回してもらえたからと言って確実に次があるわけではない。
声がかからなければ、また一から他の企業を当たらなければならないのです。
レバレッジがかかりにくい。
このように、華やかな広告、出版の仕事で食べていくには大きなリスクがあるのです。
そもそも、ここで良い仕事を取れる確率は非常に低いのです。
憧れるのはわかります。
いつかは自分のイラスト集を出版したい！
とか思うのは良い事だと思います。
しかし、それだけを頑張っていては安定して食べていけるようになるまで時間がかかり過ぎます。
とは言っても、もしかしたら明日素晴らしい仕事が決まるかもしれない...
ラッキーを狙ってはいけません。
正確には、それだけを頑張ってはダメということです。
並行して、というよりまず最初に必ずやるべきことがあるのです。
それは
確実に食べていけるビジネスモデルを作ることです。
まずはライスワークが出来なければ精神的に不安定になり、作品作りに集中できないと思います。
ライスワークというのはご飯を食べていくための仕事のことです。
まずは最低ラインの収入を維持する事に専念し、安定した収入を得られるようになってから勝負にでるのでも遅くはないと思いませんか？
みんな出版や広告、コンテストやらで実績を作ってからじゃないとまともに仕事を取る事ができないと考えてしまっています。
別に実績なんて無くて良いんですよ。
実績が無くたってあなたにイラストを描いてもらいたい人はいます。
あなたの提供したいモノに価値を感じる人間は必ず存在します。
それは、たくさんいるかもしれないし少ししかいないかもしれない。
でも確かに存在するんです。
それが仕事になるかどうかは、その人の目の前にあなたの価値を置けるかどうかで決まります。
とにかくあなたのイラストに価値を感じる人はいるのだから、その人たちに描いてあげれば良いんですよ。
では、どのように価値を届ければ良いのでしょう？
それは
あなたの価値をあなたのメディアを通して提供することで実現できます。
ブログでイラストをアップしてたら誰かが見に来てくれますよね。
で、興味があれば制作を依頼してきてくれる。
って、そう簡単にはならないのです。実は。。
まあ既にブログで仕事を受けている人はわかると思いますが
そんな上手いこと依頼されはしないのです。
そしてこの状態は、広告とか出版の仕事を取るのと同じなのです。
完全に受け身状態。
広告、出版で仕事を狙うのは、一見攻めているように思えるかもしれませんが
実は受け身状態ですからね。
相手に依存しているのです。
相手の動き次第で結果が変わるということです。
とは言っても人間が相手である限り、全てをコントロールできるわけではありません。
なので、確率的な問題で、いかに安定させられるようにするかを考えないといけません。
この問題をクリアするために
自分が自由にアプローチできるメディアを持つということが必須なのです。
たった今、目の前を通り過ぎるお客さんに
安いよ安いよー！！
とキャベツを売るより、普段からよく店に来ているお客さんに対して
安いキャベツが入ったよー！！
とチラシを配った方が、単純にたくさんの人にキャベツが安い事を知ってもらえるので、買ってもらえる確率が上がります。
ネットで言えば、今日アクセスしてくれた１００人に見てもらうのではなく
今までアクセスしてくれた一万人に見てもらえた方が依頼してもらえる確率はぐーんとアップします。
ただこれだけの事なんです。
自分のメディアを使えば
好きな時に好きなだけアプローチをかけることができるのです。
これは、今やどこの企業でもやっていること。
どこに行っても
安くなるから、ポイント付くから
と言って会員にしようとしてくる。
もともとは情報ビジネスで流行った手法ですが
通販から始まり、今や大企業までがこの手法を取り入れている。
リストマーケティングって言うんですが
これは大きく広告を打ち出せない、使えるお金の少ない中小零細
個人が効果的にビジネスを回せる仕組みです。
当然、大企業が使っても効果があるのですが
たくさん集客できるほど資金に余裕の無い人こそ使うべきモノなのです。
自分のメディアを持ってそこで宣伝する。
テレビとかラジオのような媒体を自分自身で持つ感覚です。
このように、自分から仕掛けていけるようにすることが大事で、クライアントに振り回されるようでは「安定」という二文字は遠いのです。
クリエイターに自分で食べていけるだけの力を持ってもらいたい！
と動画で話しているのは、こういうことです。
受動的ではなく、能動的に。
例え大きな契約を切られても、明日から食べていけないなんてことのないように、独自の販売網を持って欲しい。
そうすることで、クリエイターの地位の向上に繋がると考えています。
メディアを持っていない事の危機感を感じてください。
リストマーケティングをやらない理由はないはずです。
華やかさにとらわれず、力のあるイラストレーターを目指しましょう！