民族と宗教の絡んだ、厳しい戦争の繰り返しの中から得た、生きる知恵だろうが、戦いは生易しいものではなかったはずだ。殆どが“ 皆殺し”だったという。現在は、マンションに住み、休暇に田舎に出かけるというのが主流らしい。
人の幸せも相対的なものだ。
私が巡礼道に強く惹かれるのは、野に咲く真っ赤なアマポーラの花に出会えるというのが１つにあるが、ある時イスコ師が言った。
「アマポーラは美しいけど、群生すればするほど、小麦が消えていくんだよ」
今回は異常気象のせいで、その数が少ないと思っていたが、王妃様の橋の袂や、エステージャの崩れかかった、協会の脇には、以前と同じように咲いていた。予想外のお天気の荒れと闘うのに精一杯で、声はかけられなかったが。
