平日のPM20:55、ピークの時間帯を終えて教室に静寂が訪れる頃に最後の授業が始まる。

 

ふと教室の外を見ると、これから深夜の時間帯が始まるような静けさが漂っている、

遠くからは、若い兄ちゃんたちが単車で走り回る音も聞こえてくる、懐かしいな、、。

 

16の時に単車で先輩たちと石狩新港まで流して、帰ってくる頃にはケツにパトカーを何台も引き連れて帰ってきた、警察の車両と追っかけこしていたあの頃、無茶をして何人か事故で亡くなった奴もいる。

若気の至りで命と引き換えに旅立った奴ら、きっと今でも不良のまま時が止まって夢の中をずっと生きているんだろう。

 

そして、今年こそは親友の墓参りに行こう、そんな気持ちになる。18で亡くなった親友

36号線、真冬の単独事故。

あれから、10年か、。「今、オレ学習塾やってんだ」なんて言ったらびっくりすんだろうな、今年こそは墓参りに行きたいけど、まだまだ中途半端すぎて足が向かないから、もうちょっと待って欲しいと心の中で思う。

 

PM21:00「こんばんは!」と高校生男子が教室に入ってくる、

「お疲れちゃん!元気かい?」と話しかけると。どこか嬉しそうな顔をする高校生男子

きっと、ここ一週間のストレスなど、話したいことが山ほどあるんだろうと感じる。

その後、最近の学校生活や部活の調子、進学への不安な気持ちを聞いてから授業が始まる。

 

授業は数学、ユー先生とのマンツーマンレッスンを横目に私はパソコンと睨めっこ、

当初は英語学習メインで教室に入塾した生徒だが、今は数学を学んでいる。

 

入塾後すぐに英検のレッスンを行い一発で合格を決めて、その後の英語の定期テストもクラスで一位の成績を収めた。そのため、今は苦手な数学を克服しようと話し合った上で、英語から数学の授業に変えた。

 

英検前は教室が休みの日に私が高校まで生徒を迎えに行って、一緒に教室に行き一緒に勉強した。教室に行く途中でセコマ(コンビニ)でおにぎりとお茶とチキンを買って生徒に食べさせてモチベーションを保った.もはや弟みたいなもんである。しかし、それでいい、法政大学に行きたいという生徒。私ができることは一緒に勉強して寄り添ってあげること。

 

英語も得意になり、時間が経つのは一瞬。この瞬間が生徒にとってかけがえのない青春の思い出になってくれたらいいなと願う。

 

数学の授業、ユー先生も手は抜かない.85分のレッスン、延長に延長を重ねて終わるのは23:00近くになることもある。それでもいい。責任は全て私にある。

 

授業の途中ではいつもお決まりの安いラーメン屋の話で盛り上がる.高校生男子は食べ盛り、安くて美味い大盛りを提供してくれる店の話で盛り上がる.いろんなオススメの店を聞いてメモを取る。「先生も今度行ってみるは!」そんな時間も楽しい。

 

レッスンがスタートしてから1時間経過、PM22:00頃になると腹が減るため、ユー先生と生徒を横目に一人でマックのドライブスルーに行き、チーズバーガー3つとナゲットを3つ頼んでテイクアウト、教室に戻り、「ちょっと休憩しようぜ!」と声をかけて3人で腹を満たす。「ナゲット美味えな〜」なんて言いながら生徒の笑顔が見える。

一瞬で平らげた後で「よし!残り時間ラストスパート全力で行こうぜ!」と声をかけて授業再開、授業にも熱が入る。

 

その後、無事に授業が終わり生徒を見送る。後ろ姿に「学校と部活頑張れよ!」と声をかけると生徒が振り返って「頑張ります!」と笑顔で返事をくれる。

そして「大学決まったら、ラーメン食いに行こうぜ!」と言うと笑顔で「はい!」と返事をする生徒。

その顔を見て、ユー先生も私も満足して一日が終わる。

その後、教室の片付けをしてから帰宅。バスの時間はないのでユー先生を車で送り届けてから帰路に着く。

 

帰ってからのビールが美味い。

今日も良かった、心からそう思う。