ザ・ゴール  企業の究極の目的とは何か
 
今更ながら、会社でザ・ゴールが話題に
なっていましたので本日はザ・ゴールネタ。
 
ザ・ゴールといえば、広辞苑並みの
分厚い本として有名ですw
 
その内容も評価が高く、日本で発売
されたのが2001年ですが、
未だにその考え方は一般に通用する考え方
であり、またなかなか実現できていない
ものと思います。
 
さらにその17年前にアメリカで発売され
ながらも、日本の改善力を恐れて17年間も
日本語にだけは翻訳されなかったという
いわくつき。
(本当か?)
 
以下ネタばれありです。
 
 
 
私はといえば、8年ほど前になるでしょうか。
中小企業診断士試験の勉強中に、受験生の
ブログで紹介していた方がいたので
読んだ記憶があります。

その分厚さと黄色と黒の警告色にビビリ
ながらも、普段小説など読まない
私にとっては意外と物語が楽しく、
また自社と重ねながら興味津々に
読み進められたのを覚えています。
 
そんなこんなですが、月日がたてば記憶も
曖昧でして、もう一度読み返そうか
考えていたところ、今の時代こんな
すばらしいものがありました。
 
 
ザ・ゴール コミック版 単行本(ソフトカバー)
 
 
さすがアメリカが恐れたことだけはあります。
日本に来ると、マンガになってしまいます。
(13年掛かりましたが)
 
厚さも半分ほど。
2間あれば読み終わります。
すばらしいです。
 
洋書を嫌う方も多いですが、舞台も
神奈川の工場で日本企業。
登場人物もジョナ先生は登場しますが、
ほぼ日本人に置き換えられています。
 
結構名前も原作に似た日本名になって
いたりして面白いです。

たとえば、アレックス・ロゴが
新城吾郎(アラキ・ゴロー)だったりw

問題のあった遅延品番:41427番や
ボトルネックのNCX10や熱処理炉など

米⇒日変換で問題ないところは基本
そのまま流用しているところは
すごく親しみやすくて◎でした。
(逆に原作を知らない方は変な名前に
違和感がありそうですが)
 
飲酒運転の規制強化などを配慮してか、
飲酒のシーンなどはカットされてましたね。
 
 
内容も必要十分で、見事に原作The GOALの
障壁を下げてくれたなと思いました。
原作よりも理解しやすいという方も多い
ではと思います。
 
複雑化した経営をシンプルにボトルネックに
着目したこの制約理論。
当り前と分かっていても実践できている
企業は少ないのではないでしょうか。
 
コストや生産性・稼働率などに追われ
部分最適になっていませんか?

そんなあなたに是非読んでいただきたい
良書です。
 
 
 
 
以下メモです。
(モロネタバレです。原作とコミック版混ざっています。)
 
 
 
 
The GOAL 目標とは
企業の目標はお金を儲けること
それ以外のすべては、その目標を達成する
ための手段
(本当はこれすらも自分で考えなさいと
ジョナ先生は説きます)
・純利益
・投資収益率
・キャッシュフロー
 
 
評価指標
・スループット・・・販売を通じてお金を生み出す割合
・在庫・・・販売しようとするものを購入するために投資したすべてのお金
・作業経費・・・在庫をスループットに変えるために費やすお金(コミック版では業務費用)

※個人的にはこのスループットという言葉に慣れず、制約理論をとっつきにくくしている気がします
 
本来の目標は,「お金を儲けること」なのである.だから,「一製品あたりの製造コスト」や
「機械や労働の生産性」などといった部分的な指標をみてはいけない。
ゴールに近づくために見るべき指標は,上記3つ。
スループットを上昇させ,在庫と作業経費を低下させるようなマネジメントがやるべきことである。
 

生産的であるとは
 1. 生産的であるということは、自己の目標と照らし合わせて何かを達成したということ
 2. 会社の目標に少しでも会社を近づけることのできる行為は、すべて生産的
 3. 目標から遠ざける行為は非生産的

 
二つの現象
依存的事象・・・他へ依存する ボトルネックより後の工程はボトルネック以上の速さにならないなど

統計的変動・・・正確に予測できない情報。重要な要因のほとんどは、前もって正確に決めることはできない。
特に人の工程などははばらつきが生じる。平均で出来ていてもボトルネックの前の工程で
平均以下だとボトルネックに必要な部材が供給されず、全体の能力低下となることで
スループットが減少する。
 

ボトルネック
処理能力が、与えられている仕事量と同じか、それ以下
ボトルネックが原因で十分なフローが維持
できず、需要を満たすことができなければ
お金を稼ぐことはできない
 ⇒ボトルネックはどんどん変わっていくので
   「制約」と名づけられます。
これがTOC(Theory of Constraints:制約理論)と呼ぶ所以です。
 

スループットを向上させ続けるステップ

1、制約(ボトルネック)を見つける
2、制約をどう活用するかを決める
3、他のすべてをステップ2の決定従わせる
4、制約の能力を高める
5、ここまでのステップで制約が解消したらステップ1に戻る
 

「真の制約条件は機械なんかじゃない。
 ポリシーなんだ。」
⇒本書の制約であったNCX10もさらに深掘り
 すると、その前に同じ加工ができる
 旧型設備を稼働させないようにした考え
(ポリシー)があります。
この例でいけば1台あたりのコストや
生産性を最優先にする、といった考えです。
 

1つ良くわからなかったのが、ボトルネックの
実際のコスト。
ジョナ先生はこのように言います。
「ボトルネックの実際のコストは、工場全体の
総費用をボトルネックの総運転可能時間で
割って求めることができる」

※コミック版では、”可能”は削除されて
総運転になっています。
⇒ということは、ボトルネック以外の工程で
  いくら費用をかけてもタダ、ということですよね。
 タダというよりは関係ないと表現した方が
  よいのでしょうか。
 いずれにしてもよく分からないので誰か
  教えてくださいm(_ _)m