薄暗いカーテンと片付いてないベットで彼女は彼を見ながら寝転んでいた。
「ご注文の品、無いのでわざわざ買ってきましたよ。」
彼は私に覆いかぶさりながら体を寄せて、そっけない態度で、しかし、口に咥えてるのは紛れもない未使用のコンドーム。
その視線は冷笑していた。私はその唇に触れたいとぼうっと見ながら待っていた。
「お客様が嵌めてくれるんですよね?」
コンドームを指で持ち直しながら喋り掛けてくる。
その言葉にはうっとりして返答がなかった。
彼は再度、聞き直し。煽った言葉が跳ね返ってくる。
「コンドーム、ちょうだいは?」
「・・・ちょうだい・・・。」
「駄目・・・フェラしてからじゃないと注文は受け付けておりません。」
「お客様が俺の事聞かない限り、その様なご要望にはお答え出来ません。」
瞬間、彼女は唇を尖らしたが、ふふっと息の漏れた笑いで頷いた。
「良いよ。欲しがるならしてあげる。」
その甘ったるい声に彼の瞳は恍惚の眼差しに変わる。
体制を変えて、彼女は彼の股間に手をやった。彼は自分の前髪を梳きながら彼女の行動を見下ろしながら楽しんでる。
「舐めて。」
しっとりとした声で催促して笑う。
彼女は彼の勃起した棹を握り締め、マッサージする。
「んくっ。」
その後に口紅の付いた唇を目一杯開いて頬張る。
「はあ・・・。」
彼女の厄介な舌遊びに彼は聞いた事もない甘い吐息を漏らす。
快感がたまらないのか、はだけた服の腹筋が彼女のフェラの刺激によって艶めかしく蠢く。
「気持ち良い。」
亀頭を咥内で擦り、裏筋を舌で逆撫でする。先から精液がつうっと流れ、青臭いを放つ。
さざなみの様な快楽は研ぎ澄まされた雷の様な激しい快感に彼は思わず呼吸が乱れる。
余りにも酩酊の早さに彼の意識が飛びそうになった。
「逝くの早い。でもその顔、可愛い・・・。」
視界がぼやけた中、彼女は嘲笑していた。
そもそも新人の中でも彼より年上で異業種からやってきた従業員だ。彼より背は低いがかなりモデル並みで顔は朝ドラの女優、胸はグラビアアイドルと三拍子揃っていた。
その上、声が艶めいて何か重い荷物を持つと声が擦れるとエロい。
最初は気にしてなかったけど、荷物運びの倉庫では声が響く。
我慢を超えていたのはどっちなのか?
【・・・ねえ、コンドーム探してるんだけど、見つからないの?探してくれない?】
「採用された後の社内契約事項にはセクハラは禁止だって書いてなかったっけ?新人の女が契約違反するのってアリ?」
「誘いに乗った恋人だからアリなんじゃないの?」
「恋人、ね?」
「ふふ・・・もっと良いしよ?」
「じゃあ、跨ってみる?ん。ねえ・・・コンドームは?」
「買い忘れちゃった。」
 
 
=完=
 
「注文の彼」後書き。
会社の眼鏡クン想像して書いてたけど、続編であるベットシーンはジェシーが出てきたので振りほどいて眼鏡クンで書いた。
危ねぇ。アイドル巻き込む所だった。
いや、眼鏡クン知らされてないからどっちも危ない・・・。
ないしょの秘密(/・ω・)/