おぉ~~夏にならずにすみました!!
「・・あ、はい・・・・そ、そうですね・・」
キョーコのその言葉に蓮は、心臓をわしづかみされる思いだった。
いつかそんなことになると思っていた。
だが、思っていた以上の衝撃に蓮は抱きしめていた腕に知らずに力が入り、今更ながら離したくないなどと、都合の良いことを考えていた。
「敦賀さん・・・・あ、あの・・・・え~とですね・・その・・付き合いたいというのは・・友達としてで・・その世間一般でいうところの男女の付き合いたいということではなく・・あの・・??・・聞いていますか?」
蓮の身体が微かに震えているような気がしてキョーコは不安になった。
呆れられているのかと思って、すぐ横にある蓮の顔を見ようと首をかしげると驚くほどの美貌が寂しそうな瞳をしていて、その表情に驚いてキョーコはじっと見つめ返した。
「うん、ちゃんと・・聞いているよ・・」
間近に迫る綺麗な瞳。
いつもと違うサラサラの茶色の髪が幻想的で吸い寄せられるようにその瞳に見とれた。
「で、ですから・・えぇ・・と・・その・・なんのお話・・していたんでしょう・・?」
キョーコは抱きしめられている蓮の逞しい腕に急にドキドキし始めた。
「うん・・なんだったかね・・」
蓮は彼女がまだ自分の手の中にいることに安心して、さっきまでの黒い塊のような闇が少しずつ浄化されていくのを感じていた。
また、こんな思いをするくらいなら・・・・
そんな想いが蓮の心を支配する
「最上さん・・・・このまま話を聞いてくれる?」
至近距離で尋ねられ、蓮が話をするたびに微かに届く吐息にキョーコの緊張はピークになっていた。
「君のことが・・好きなんだ・・・・」
少し細められた目が、じっとキョーコを見つめる。
唇の動きから 好きだ と言われたことがわかった。
遠くで車の走っている音が聞こえる
辺りがこんなに静かなのに・・
なぜ敦賀さんの声だけが聞こえないのか・・
「あ・・えっ・・?」
「クス、急で驚いた?・・・・好きだよ?・・そんなにじっと見られるとキスしたくなるね・・それともキスしても良いのかな?」
なぜこの人はこんなにも魅力的なんだろう・・
いつの間にか抱きしめられていた手が頭の後ろにあり、蓮の魅惑的な瞳が近づくとキョーコは自然と瞳を閉じていた。
唇が触れた瞬間体に痺れが走る。
体中がぞくぞくして立っていられずに、キョーコは蓮の腕にしがみつくように指に力を入れた。
柔らかい唇の感触と蓮の香りに包まれるとキョーコに睡魔が襲う
あれ?・・私寝ているのかしら?
ふわふわと揺れて気持ちがいい・・身体に力が入らない・・。
あ・・・この香・・・
クス・・・敦賀さんの香りだ・・・。
連日テスト勉強で疲れていたキョーコは、蓮の腕の中でスヤスヤと眠りはじめた。
END