「敦賀様・・その、大変お待たせいたしました。食事の用意が終りましたのでテーブルに並べておきました。・・お食事が終ったらそのままにしておいていただければ、明日私が片づけておきますので。」
綺麗なお辞儀とともにキョーコがニッコリと微笑むと蓮は胸の奥がチクリと痛んで咳払いをしてごまかした。


「そう・・ありがとう・・・・ところで、君・・いや最上さん・・俺のことは蓮て、呼んでくれて良いから・・そんな敦賀様なんて言われたらリラックスできないよ・・クス」


「あ・・その・・では、敦賀さん・・でいかがでしょうか?」
キョーコが少し困惑した表情で蓮を見つめた。


「蓮で良いよ?・・抵抗あるなら「敦賀さん」でも良いけど・・そのうち慣れたら「蓮」って呼んでくれる?」


「は、はいわかりました。では、敦賀様・・敦賀さん。私はこれで失礼します。お食事が口にあうと良いのですが・・」
キョーコが部屋を出ようとしたところで蓮はあわてて声をかけた。


「えっと。最上さんその・・よかったら一緒に食事しない?・・一人じゃせっかくの料理が味気ないから・・」
どことなく寂しそうな雰囲気にのまれキョーコが返事に困っていると、代弁するようにお腹が鳴り始めた
ぐりゅぅぅるるる~


「クス、決まりだね?・・さ、そこに座って?・・何か飲みたいものある?・・と言ってもお酒しかないんだけど・・」


「いえ、あのお水で大丈夫です。その・・すみません・・」


「いや、俺も一人で食事をするよりは可愛い女性と食事をする方が楽しいから・・嬉しいよ。最上さんと食事ができて」


キョーコは真っ赤になって椅子にちょこんと座った。


そんな様子を見て蓮は嬉しそうに微笑んでいた。