・・・・俺の周りにいるような女と違う・・天然記念物的乙女ね・・・・


バスルームの壁と自分の腕の間に彼女を閉じ込めたのは、ほんの数時間前だ・・




震える彼女の肩を強く抱きしめると動きを封じた。
抵抗する彼女を弄ぶように一段と深いキスをして、彼女の身体から力が抜けると崩れるように俺の手から逃れていった。



いつの間にか夢中で彼女に口づけていた。
いつもなら途中で止めてあざ笑うようにじっと見つめ・・そしてソファーの上に押し倒す。



まるで日課のように同じことを繰り返していたはずなのに・・

ただ・・毎回相手が違っているだけで、かわされる会話すら録音テープのように同じ言葉を囁いていた・・・・


それなのに・・・・

俺は我を忘れてキスしていただけではなく・・
その・・天然記念物的乙女と言われた女性をいつものゲームのような感覚で無理やりキスをした。



・・まさか・・ファーストキス だったり・・しないだろうな・・


一瞬の不安を感じながらも蓮は頭の隅に追いやった。


とりあえず、今日彼女に会ったら失礼をお詫びしないと・・

いや、彼女は来ないかもしれない


そう思うと蓮の心に罪悪感が宿った。


印象的だったのは大きな茶色の瞳

頬を染めたその姿が、演技ではなく本物と知ると、さらに心の奥にチクリと痛みが走った。



綺麗な茶色の大きな瞳が、涙でぬれていた


ズキリと感じたことのない痛みが蓮の心に突き刺さり胸を押さえると大きなため息をついた。