ガチャ


バスルームのドアを開けて入ってきたのは、童顔の女性だった。


そんな可愛い仕草を見せても・・結局君も同じだろう?
そんなことが頭をかすめた。






そう思うと自然と体が動いていた。
彼女が閉めたドアをゆっくりと開くと、真っ赤になったまま女性がうつむいていた。


「君は・・いつもこの部屋を掃除してくれる人?」


「あ、はい・・その・・すみませんでした。」
がシャワールームを出たことで、キョーコはさらに隣の部屋へ移動しようと後ずさりして、バスルームの扉の方へ足を向けた。


そんな女性の行動をじっと観察すると、さらに苛立ちが募る。



そんな純情なふりをして俺の気を引きたいのか?
それは逆効果だよ・・



心の奥で独り言を言いながら蓮はさらに女性に近づいた。


「構わないよ・・いつもありがとう・・ところで君・・名前は?」


「あ、はい・・最上・・最上キョーコと申します。」
視線を上げて蓮を見ると上半身裸の姿を目にして、キョーコは慌てて視線を下げた。


「ねぇ、君・・いつもはこの時間に来ないよね?・・何か期待しているの?」

蓮は妖艶な笑みを浮かべ彼女に近づく


彼心が癒されるようなその甘い香りが、甘い蜜に誘われる虫のようにもっと彼女に近づきたいと思った。
首筋に唇を近づけキョーコの顔のすぐ横に左手をつくと、身を固くして縮こまった。その行動にイライラが増し、蓮は揶揄するように口を開いた。


「それじゃ・・俺の気は引けないよ・・?」
キョーコの耳元で囁いた。


「・・え?」
何を言われたのかわからず、キョーコは蓮の視線をじっと見つめると、身体が震えるほど冷たい双眸が刃物のようにキョーコに突き刺さった。



・・こ、怖い・・


キョーコは恐怖のあまりギュッと瞳を閉じた。



「クス、・・ずいぶん演技が上手だね・・もう少しで騙されるところだったよ・・だから今日はこれで勘弁してほしい・・・・」


そう言うと再びキョーコの耳元で囁くと、顎に手をかけて蓮はその唇にキスを落とした。



震える彼女の肩を強く抱きしめ動きを封じると、抵抗する彼女を弄ぶように一段と深いキスをした。



キョーコの瞳から涙がこぼれ落ちるのも気にせず、蓮は、いつの間にか夢中で彼女に口づけていた。