また、思い出の場所が減っていく。
ここ10年くらいは全然行ってなかったけど、20代の頃はよく行ってた。
初めて行ったのは2002年。
2002年、上京してきた年、今住んでる場所から5分くらいの場所にあった伝説のいづも荘の6畳の1Rに僕はユウスケと住んでました。
6畳ワンルームに男二人って、今考えると正気の沙汰じゃないな(笑)
あの頃はホントお金がなくて、そんな僕がタダで楽しめるといったら『人と会話する』という石器時代と変わらないエンタメしかなかった。
人と会話するにはどうしたらいいか?っていうと、そりゃ誰かを家に住ませるしかないよな・・・
20年経ってもやってること変わらないから、これは自分の性分なんだろう。
当時はyahoo!BBがADSLのモデムを街中で無料で配るという、これもこれで正気の沙汰とは思えない孫さんの施策のおかげで、家にインターネットはあった。
パソコンは当時激安だったeMachinesを使ってたな、懐かしい。
とはいえ、その頃イケてる情報をどうやってゲットするかっていうと、断然『雑誌』だった。
どんなのがあったっけ・・・ぴあとか東京Walkerとか東京1週間とかそっち系の類の雑誌とか、あとはもちろんファッション誌とか。
で、確か情報誌の方だったと思うんだけど、見つけたんだよね。
『ヴィンセント・ギャロ』の個展を。
2002年当時に『ヴィンセント・ギャロ』の個展を『原美術館』で、なんて今振り返ると意識高い系のカッティング・エッジ以外のなにものでもなかった。
アラフォー世代で当時ファッションやアート・カルチャー系の仕事をしてた人は、『はいはいはい、ヴィンセント・ギャロね。行った行った、行ったわ!』って人も多いんじゃなかろうか?
で、ユウスケと男二人で行ったんだよ、原美術館に。
原美術館のロケーション、その雰囲気、素直にやられた。
こんなとこが品川にあるんだ?って。
カフェーもキレキレだった。
あとは、ギャロの個展のいい意味での肩透かし感も良かった。
ある意味、めちゃくちゃギャロってた。
それからは、異性とのデートで背伸びして行くようになった。
アートなんて全然分からないくせに『休みの日?美術館に行ったりする。原美術館とか』って言っとけば異性にモテた時代だった、よね?(笑)
扱ってるのがコンテンポラリー・アートってのが、また刺激的だったよね、当時の僕らには。
原美術館、行くだけで20代の自分をネクスト・レベルに引き上げてくれるような、またある意味とても『TOKYO』っぽい、そんな美術館でした。
先月、今月と山手線を歩いて一周したんだけど、その時のコースがまさに原美術館の横を通る道でさ、写真の一枚でも撮っておけば良かった。
明日、1月11日が最終日。
予約制なので行っても中には入れません。
予約がないとエントランスどころか敷地内にも入れないみたいです。。。
先日のバーニーズ新宿店もだけど上京してきた当時の思い出のある場所が街から消えて行くのは、寂しいですな。
原美術館