会社のカスタマーサービス(CS)には個人のお客様の一般的な質問をはじめ多種多様な問い合わせがきます。

 

今年になって海外のお客様からの英語での問い合わせには僕がお手伝いをするようになってから、普段接することのないCSの方達とコミュニーケーションを取る機会が出来て、そこでCSには法人からの営業メールなども来ることを知りました。

 

多くの会社がそうであるように、何かの『仕事』が生まれる時はやっぱり人の繋がりで始まることが多くて、会社の代表連絡先に来る法人からの営業メールからはなかなかすぐに仕事に、ってのは難しいんだけど、今年は通常業務の事務に加えて仕事になりそうな案件は全部拾っていく!という目標を年始に立ててたので、CSの方達にお願いしていたんです。

 

『面白そうなメールがきたら、僕に回してください』

 

って・・・勝手に(笑)

 

別にいいだろ、担当部署がある訳でもないし、何もなかったら何もなく闇に消えていく営業メール。

 

1通でも多く光を当てることで、それで会社が損をするわけでもあるまいし。

 

そんなお願いをCSの方達にしていたら、緊急事態宣言が明けたくらいに連絡が来たんです。

 

大手おもちゃメーカーのバンダイさんからの問い合わせとのこと。

 

早速問い合わせをしてくださっていたIさんにコンタクトをとり、商談という運びになりました。

 

どんな話なんだろ?ってルンルンで。

 

当日、僕よりひと回りほど若いIさんが見えられて曰く、

 

バンダイは基本的に玩具メーカーだけれども、洋服を作っているアパレル部門があります、と。

 

ふむふむ。

 

今年の春から普通のキャラTシャツやアニメTシャツなどとは違う、ウルトラマンに特化した親子で着れるお洒落な洋服をプロデュースする『ULTRA STYLE』というブランドを始めました、と。

 

ふむふむ。

 

そして、要するに

 

『ウルトラマンの洋服、仕入れできませんか?』

 

「できません」

 

・・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

面白い話だったらもちろんバイヤーにつなげるつもりだったけど、普通のウルトラマンの洋服を普通に仕入れて普通に店頭に並べるのは、事務職の自分でも流石に厳しいのは分かる。

 

そもそも僕はバイヤーじゃないので、仕入れに関しての決裁権はハイパーゼロだし。

 

ただ、若いIさんがこれまでとは違う何か新しいことをやっていきたいという気持ちは、ダメ元で代表メールに連絡してきたことからもビンビン伝わってきたし、僕は僕で何か新しいことを、そしてそれが会社の利益になるようなことをしたかったので、Iさんの気持ちは痛いほど分かる。

 

ただ、僕に仕入れの決裁権はないしなぁ・・・

 

決められた仕入れの予算枠の中で各バイヤーが考えながら仕入れをしてくる中で、バイヤーでもない僕が勝手に仕入れをするなんて、恐らく一発で懲戒解雇だ(笑)

 

昨年末、僕は当時の社長に『小売(仕入れ)』に関わらない分野で会社の利益になる活動をさせてください。とプレゼンをして、それを今年の目標に活動してきた。

 

僕が僕の決裁権でできる範疇のことをIさんに伝えて、

 

「仕入れ以外の施策だったら、全力で頑張るんで何かそういう方法があるかお互い考えましょう!」

 

代表メールにきた一通のメールと一回の商談、これが『ナノ・ユニバース x ULTRA STYLE』の始まりでした。


 

 

 〜つづく〜


ULTRA STYLE