23時過ぎ。

 

流石にもう他のフロアーには誰も残ってないよな?と思いながら、他のフロアーをパトロールしながらエレベーターを降りる。

 

誰もいないフロアーにはエレベーターが止まらない。

 

そんな中、3Fにエレベーターが止まる。

 

誰かが、いる。

 

恐る恐るフロアーを見てみると、たった1名、ソルジャーが真夜中のオフィスで闘っていた。

 

冷たい水の中を震えながらのぼっていくように、闘っていた。

 

 

 

 

ソボソボと近寄り、一言だけ発声。

 

『お寿司、食べて帰りませんか?』

 

 

 

 

 

少し前から深夜営業がOKになったと耳にしていたが、思いのほか渋谷の夜は落ちるのが早かった。

 

センター街の寿司屋、2軒ともクローズ。

 

他のお店もめぼしい店は皆閉店していたので、流れに身を任せてマークシティー付近の飲み屋街へ。

 

こちらもほとんどのお店が『準備中』の立て看板を並べる中、一軒のお店へダイブ。

 


安かった。

 

そして、美味しかった。

 

ライスを頼んだら、ねこまんまにする5秒前みたいなご飯が運ばれてきた。


 

これは、炊飯ジャーの底の残りかすを集めた、この夜最後の一杯だろうと思われた。

 

実証すべく全てのライスを食べ切り、お代わりを頼んでみた。

 

『すみません、今晩もうご飯がなくて、さっきのが最後でした。』

 

やっぱり。


人生は、推測と実証のシーソーゲーム。

 

夜は長い。