湯船に浸かりながら『デビューしたいなぁ』なんて考えてました。
アーティストとしてデビューしたいとかではなく、『高校デビュー』とか『大学デビュー』みたいなデビュー。
僕は人生で一回だけ、『あっ、俺、今デビューできるかも?』って思ったことがあります。
35歳で香港に渡った時、香港には僕を知ってる人なんて誰もいないわけじゃないですか。
あの国にいた人は全員、他人でした。
本気で考えたもん、『伊達メガネしようかなぁ・・・』とか。
41歳、今からデビューできるとしたら何しようかな?って風呂の中で考えてたら、前歯が抜けた。
元々差し歯だったからいいけど(ぶっちゃけ良くはない)、風呂の洗い場の鏡に映る自分の姿は、自分でもちょっとドン引きした。
スキンヘッドで前歯がない姿で生きていけるほどに日本が優しさにあふれた社会になるのは、もう少し先の未来だろう。
もしかしたら、今の世界線の先にはそんな未来はないかもしれない。
人生のデビューをする前に、まずは歯医者さんにデビューしないと。
『おい、ハゲ』と呼ばれるのには抵抗はないけれど、『おい、歯ナシ』と呼ばれるのはツラい。
人生は諸行無常だ。