数日前、同僚の市ノ瀬くんからインスタでご指名を頂いたブックカバーチャレンジなるチェーンメールの亜種。

どうでもいい人から来たらスルーするところだが、市ノ瀬くんは無下にはできない。

そして、今月は100記事書く為にこれはこれでいい1記事になる良い機会なので、インスタから勝手にアメブロにプラットフォームを変えさせてもらい、やらせて頂きます。

とりあえず本の表紙だけを写真に撮ってアップすればいいらしいけれど、それでは少し味気ないので何かしらを徒然と。

夏目漱石 : こころ


小中学校併せて9年間の義務教育の中で、いわゆる『文豪』と呼ばれる作家を国語や社会の授業を通して知っていくのだけれど、その数々の文豪の中でも一番読みやすく、そして読んでおくべきはこの夏目漱石だろう。

本だけではなく、音楽や映画など出会っておくべきタイミングみたいなものがある。

例えば以前にも書いたが、映画『トレインスポッティング』。

19歳の時に、音楽、ファッション、スタイル、全てが輝いていてあれだけ影響を受けたのに、大人になって観たら、なんだかヤク物中毒者の集まりの映画にしか思えず全然ピンとこない。

19歳の『あの時』に出会えていたからこそ、意味のある映画だったんだろう。

その点、夏目漱石の作品は未成年の学生時代に読み、そして成人し社会人になって読んでも子供の頃とは違った角度で楽しめるという、非常に稀有な作品が多い。

特に代表作とも言える『こころ』は、ぜひ思春期のうちに触れ、そして大人になってから再び手にしたい一冊だと薦めたい。

夏目漱石は名著しかないのだけれど、個人的に一番好きなのはこの『こころ』、次点が『それから』。

僕のブログにはよく『先生』が登場する。

先生とは焼肉を食べにも行くし、旅行にも一緒に行くし、そして時にはスタンプラリーを一緒にしたりもする。

ブログに名前をだすのが、イニシャルでさえ気が引ける人は全て『先生』だ。

こころは、『先生』と私の話で進み、そして最後は自殺した『先生』が『私』となり綴った遺書で締め括られる。

本作において勝手に思っている裏テーマは、明治天皇が崩御された際に殉死した乃木希典大将、その行為に対する夏目漱石からのアンサーソングだ。

乃木大将と一緒に殉死した奥様の名前は乃木静子、作中の先生の奥様の名前は静。

偶然、いや夏目漱石レベルの作家ならそんな偶然は意図的に起こさないだろう。