一番のお気に入りの写真集、『Tokyo Nobody』。
無人の、誰も写っていない東京の街並みを写真家の中野正貴さんが10年近く撮りためたものを2000年に出版されたもので、僕は確か2002年に新宿の紀伊国屋で買ったのが最初の『Tokyo Nobody』
その中野さんが東京写真の集大成の写真展『東京』を恵比寿の東京都写真美術館で行われています。
先月11.23から来年の1.26までの会期で、今日はなんとリリー・フランキーさんとのトークショーも行われる。
それなら今日行くしかないだろうと先月から待ちに待ってた日曜日。
写真展、それとトークショウの入場券は別売りでそれぞれ1,000円でした。
リリー・フランキーさん。
だいぶ気になる存在です。
僕が初めてAmazonで買い物をしたのが購入履歴でみると2007年で、リリーさんの『東京タワー〜オカンとボクと、時々オトン〜』
当時母が入院していて、病室で読めるように送ったものだった。
香港時代、途中1ヶ月半だけ日本に帰国していた期間があるのだけれど、その時会社から提示されたのが笹塚か大塚のウィークリー・マンションで、僕は笹塚を選んだ。
もちろんリリーさんが以前住んでいた街(笹塚ボウルのマンション)だから。ってのもあるし、大塚は若干ないな・・・と思っていたのも事実。
そして、このブログ。
10年前くらいに始めたこのブログの一人称は基本『僕』だ。
もはやどうでもいいことだけど、このことを書くのは初めてだ。
俺でも私でも拙者でも我輩でもなんでも良かったのだけど、なんで『僕』にしたかというと、リリーさんが当時エッセイなどを基本全て『僕』の一人称で書かれていて、なんかいいなぁ・・・と思っていたからでした。
後日、そんなリリーさんがいきなり『俺』の一人称でエッセイか何かを出されたとき、『おいっ!』って思ったなぁ・・・俺はあなたの『僕』を真似して『僕』にしたのに(泣)・・・って。
そんなリリーさんと中野さんのトークショウは、時間きっかし14時にスタート。
真面目で几帳面な中野さんと天真爛漫で下ネタ好きのリリーさんのトーク、めちゃ面白かった。
トークの冒頭、登壇していきなり中野さんが先日から体調が悪く咳き込むかもしれないので・・・と断られると、リリーさんも気管支炎は持病らしく
『僕も体調が悪くてピエール瀧に薬をもらって飲んでるけど、全然体調が良くならないんですよ〜』
『今日は(トークショーの)会場が美術館なんで、お○んことか言ってもいいんで楽ですね。お○んこも写真にして飾れば芸術でしょ?』
終始、こんなノリでした。(笑)
それにしてもリリーさん、面白い人だなぁ・・・もちろん話も面白いけれど、それ以上に空気感がすごいんだよなぁ。
なんかそういう人ってたまにいません?
芸人さんが人を笑わせようとしてする面白い話とは違った、何故かその人が話すと普通なことなのに面白いって人。
90分、みっちり楽しませてもらいました。
トークショウの後に、写真展を見に。
対談中の二人の話にもあったけど、写真集の大きさで見てた作品も、こんなデカい写真でみると迫力が全然違います。
馴染みのある渋谷の風景を中心に数点紹介すると
これは、分かります。
渋谷の宮益坂の方のロータリー。
左のかまぼこ屋根は旧東横線のホーム、この中二階の連絡通路は今はもうないもんねぇ。
なんだったか忘れたけど、ここをすーごい急いで走った記憶があります。
奥のビルに『富士銀行』って見えるので、まだみずほ銀行がこの世になかったころです。
これは、マークシティのエクセルホテル高層階から渋谷駅をとらえた一枚。
東急の上ってフットサルコートあったんだ・・・知らなかった。
ヒカリエがまだ建ってなくて更地の状態の時か。
そして、先日リニューアルして話題の渋谷PARCO。
これ、僕も知らないパルコです。
こんなファサードのパルコ、いつの写真なんだろう?
っという、まぁ、無人の街・東京ってコンセプトと併せて『そうそう、昔あれあったよねぇー』的な楽しみ方もできる写真展なのであります。
来月の26日まで。
リリーさんとのトークショウは今日だけだったけど、中野さん本人が会場で話しながら作品を解説するギャラリー・トークは会期中の毎週末土日のどちらかは行われているみたいです。
社会現象ったら言い過ぎかもしれないけれど当時それに近いくらい話題になった写真集『Tokyo Nobody』、『持ってる!(持ってた!)』って人も少なくないと思います。
そんな人には、ぜひおすすめ。
中野正貴写真展『東京』
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3612.html