先日、日本橋はコレド室町テラスの誠品生活に再訪。
今回はその中でもKeyテナントである誠品書店について書こうかと。
前回は週末ということもあり人がうじゃうじゃいたけど、
この日は平日の中日、水曜日ということもあってかゆっくりと店内を見て回れました。
台湾だろうが日本だろうが本屋さんは本屋さん、店内には大量の本があるわけだけど、ちょっとした違いがあったりして。
例えば、これとか分かりやすいかな?
日本の本屋さんでもよく見かける本の集積だけど、普通の本屋さんに見慣れてるとなんか寂しく感じない?
そう、POPが一つもない!
日本の本屋さんだと普通にある書店員さんの手書きのPOPやら出版社が提供してるであろう販促用のPOPが店内には一切ありません。
誠品書店は日本の大手書店・有隣堂さんがライセンシーとして運営されているので、POPやらなんやらの販促物は作成するノウハウももちろんあると思われるのだけど、それでも店内には一切POPがないというのは、これは恐らく誠品書店のディレクションなんだろうな。
個人的にはPOPを読むのも好きなのでPOPがあっても苦ではないし、POPがついた特定の本の売り上げは伸びるだろうとは思うけど、こうやって本を表紙と帯だけの情報で純粋に本として売るスタイルも、眺める分には全然悪くない。
店内はドカーンというオープンスペースに本が並べられているスタイルではなくて、小さく小部屋みたいに間切りされた空間にジャンル別に本が置かれているんだけど、恐らくこのスペースが誠品書店のメイン・スペースと思われます。
通路に面した謂わゆる玄関的な場所には『日本の本、私が読んだこの一冊』。
これは台湾の誠品書店のスタッフさんが最も代表的だと思う日本の本をジャンル・レスに集積しているコーナーで、確かに日本の本屋ではなかなか見ない並びで面白い。
日本の大手本屋さんのメイン・スペースでこういう組み合わせの集積したら、多分店長から『誰?このコーナー作ったの?三島由紀夫の金閣寺の隣に源氏物語?いつの時代の本屋だよっ!』と、お叱りを受けそうな斬新な組み合わせ(笑)
その奥には、ここが誠品書店の真打、『誠品選書』
このコーナーは月に一度変えていくらしく、オープニング・セレクションを舐めるように見る。
見慣れない作家さんの作品や小説以外にも学術書とかも並べられていて、これも日本ではなかなか見かけない感性。
『世界で最も美しい書店』は買いたいけど、ちょっとお高いのでシャシャシャーって立ち読み。
代官山の蔦屋さん、選ばれてましたね。
因みに僕が見落としてただけかもしれないけど、ある程度の規模の日本の本屋さんには必ずある『今週(今月)のベストセラー』的なランキング形式の本棚は店内にはなかったと思います。
POPを使わないくらいなので、今売れてる本の棚を置かないってのも多分誠品書店としての方針なんだろう。
スタッフさんも日本で採用したのか、それとも日本語を話せる人を連れてきたのか台湾の人が多くてちょっとびっくりだ。
今回は何か一冊は記念に買おうと思ってたんで、この一冊にしました。
東京から半日くらいで行ける距離にあるガイドブックに載ってないようなスポット満載の本。
基本暇なんで、こういうところをちょっとづつ回ろうと思います。
せっかくなんでオリジナルのカバーもつけてもらって。
で、個人的な感想というと・・・
うーん、どうでしょ?
このコレド室町テラスのワンフロアー、870坪が誠品生活なんだけど、半分が誠品書店で残りの半分が台湾のアクセサリー屋さんであったり、タピオカ屋さん、猿田彦コーヒーなどなどなんだけど、それぞれのショップの空間がパッキリ分かれすぎていて『誠品生活』としての良さが引き出せていないように感じられます。
『誠品』といえば、やっぱ『本屋』だと思うんです。
もっと本を全てのスペースに展開してミクスチャー感があったら面白いのかなぁと、イチ素人として思ったり。
例えば猿田彦コーヒーの店内にはコーヒー関係の本を壁一面に置いてもいいだろうし、タピオカ屋さんのイートインコーナーにはタピオカの本を置いたり。
なんならトイレの個室の中に万引きされる覚悟で安く仕入れた古本とかでいいからちょっとした本棚を作って『ご自由にお読みください。』くらい前面に『ここは本屋です。』感を出していいと思う。
もし、誠品のことを知らない人がこのコレド室町テラスの2Fを訪れたら、本屋とちょっとした細々(こまごま)としたショップが入ってる台湾のアンテナ・フロアーという印象で終わっちゃって『誠品生活』としての一体感が現状だと感じられないんじゃないような気がします。
台湾のお店に足を運んだことがある人は思ってるはずです、『誠品書店の素晴らしさはこんなもんじゃないっ!』って。
今の感じでの出店が続くんだったら、日本での展開はだいぶ厳しいんじゃないかなぁ・・・。