朝、あんなに晴れてたのに昼前にドッカンの雨。
突然恋人に別れを告げられたような心境だったが、周りの同僚さん曰く『天気予報で今日は雨でしたよ』と。
そうか。
僕には突然の別れに思えたのも、彼女はもともと別れを告げるつもりだったのだ。
ただ、もし天気予報が雨だと知っていても、家を出るときに晴れていたら傘を持っていきたくないというのが男心だ。
9月も中盤から終盤に差し掛かろうとしている秋の空、この秋の空が女心と同じだと言われるのなら、そんな女心を信じたい。
いくら変わりやすいと言われようが、今の空が晴れているのなら、僕はその空を、その女心を信じたい、と。
そうやって、家には傘が増えていく。
家に増えていく傘の数は、女心を信じた男の勲章。