お風呂で読む用の本もそろそろなくなってきたんで、まとめ買いをしないと。
今回のチョイスは2択で一冊が『博士の愛した数式』で、もう一冊が蓮池薫さんの『半島へ、ふたたび』
我ながら目に止まったから買ったんだろうだけど、カジュアルにバス・タイムを楽しむには少しシリアスすぎるので、『博士の愛した数式』のカバーを外してお風呂へ。
この本について僕が知っていたことは、映画化されているということ、主人公の博士の記憶が長く持たないということくらいで、何故だか僕はこの原作及び映画は、韓国のものだと思っていました。
あと、映画のパッケージのイメージからか、勝手に恋愛ものだとも思っていて。
そして先ほどまでどのくらいの時間お湯につかっていたのか分からないけれど、100ページ強読み進めてみて思うのは、素晴らしい作品だということ。
それに本書のあとがき的な解説を書かれているのが藤原正彦さんだと知り、ますますこの作品が好きになりました。
高校一年が終わる頃まで、僕は宇宙物理学者になりたいと本気で思って必死に勉強に励んでいました。
その頃の愛読書は、後年『国家の品格』が国民的ベストセラーになった数学者の藤原正彦さんの『遥かなるケンブリッジ』と『若き数学者のアメリカ』、この2冊を繰り返し繰り返し何度も読んでは、専門は違えどもいつか自分もこういう研究職につけたなら・・・と妄想に浸る、今考えるとバカな学生の一人でした。
そんな学生時代のもはや神のような存在だった藤原さんが解説を書かれている作品だと知って、感慨深いものがあります。
作品中にはタイトルの示すように数学の数式がポツポツとでてくるのだけれど、109ページまで行くとこれまでなかった書き込みが。
これこそが中古本の醍醐味。
以前この本を手にした人が、なぜここにきて初めて鉛筆を手にとって書き込みをしたのか?
そういうことを考えると、裸でお湯に浸かりながら自然と破顔してしまいました。
しかも、この方が丸で囲っている数字は、本文で説明されていることとは全く関係のない、この方なりの法則に従って丸をつけて、その和をだされています。
恐らくこの方も本作品を読み進めるうちに数字の魅力に取りつかれて、何かしら自分なりの法則を『発見』しようとしたんでしょうね。
博士の愛した数式、まだ1/3程度で読了前ではあるけれど、強くお勧めしたい一冊です。


