昨晩は帰ってベッドに直行し、起きたらサッカーの日本ーポーランド戦も終わっていた。
しょうがないので前半途中まで始まっていたイングランドーベルギー戦をどちらを応援するでもなく、ただただ徒然と観戦。
この『徒然』という言葉。
個人的にとても好きな言葉で、話し言葉としては全く使う機会はないけれど、書き言葉としては意識的に多用してしまう。
思い返されるのは、高校時代の古典の授業、兼好法師こと吉田兼好さんの作品『徒然草』を扱った時間。
この徒然というのは基本的に訓読みで『つれづれ』であり、退屈や暇なことを表す言葉なのだけど、古典の先生が教えてくれた紹介がとても印象的だった。
地元にいる頃、みんなが使っていた言葉で上記の退屈や暇を表す『とぜんなか』という言葉の『とぜん』は、この徒然を音読みにしたものだと。
この時『あぁ・・・言葉って面白いな』と思ったのを覚えています。
ただし、『とぜん』が徒然の音読みだという事実のインパクトが大きくて、よくよく考えると『徒然(とぜん)ではない』と否定のはずの『とぜんなか』が、なぜ結局は徒然と同じ意味なのかまでは思いつかなかったのだけれど。
因みに、この『とぜんなか』。
九州北部を中心に使われている方言で、本来の暇という意味よりも、暇や退屈で寂しい・・・という心情を表す言葉として使われる・・・少なくとも自分たちは使っていたように思えます。
例えば、自分が好きな女子生徒が学校を休んだときとかに『今日はあの子が学校休みだから、とぜんなか。』みたいな感じで。
そんなどうでもいい豆より小さい胡麻のような方言の知識でした。
とりあえず、朝は暇なのでお風呂を沸かして入浴。
今日からは新しく伊坂幸太郎さんの『なんとかかんとか〜死神の精度〜』を入浴本としてセレクトしてみました。
伊坂さん、僕の友人は大好きらしくよくブログにもあげて紹介しているんだけど、どうも僕は相性がよくないらしく、結構手にしてはいるんだけど、最後まで読了したことあるのは『ゴールデンスランバー』くらいかな?
『オーデュポンの祈り』、『陽気なギャングが地球を回す』、『重力ピエロ』、『アヒルと鴨のコインロッカー』・・・まだまだ手にしたことがある作品はあると思うけど、なかなか読み切れたことがありません。
もしくは、読了できても覚えてないのか・・・。
今回は・・・と勇んで読み出したものの、汗が出だす前、もはや3ページくらい読んだところでギブアップ。
タイトルからして、どうも死神の、しかも一人称目線っぽい作品で、正直気持ち悪くなってしまい。
まぁ、これは作品が悪いんじゃなくて、『死』を扱ってる作品ってのを読むにはあまりにもタイミングが悪すぎた・・・と、反省。
脱衣所で軽く体を拭いて、リビングに次なる本を取りに戻りました。
で、手にしたのは壇蜜さんの『泣くなら、ひとり〜壇蜜日記3〜』
以前一回読んでるけど、再読。
壇蜜さんは何をもってして『芸能人』なのかは、芸能人に疎い僕には分からないのだけれども、少なくとも彼女の文才は飛び抜けた『芸能』だと読むたびに思わされます。
腹を抱えて笑い転げるような文章ではないんです。
淡々と、究極の淡々で書かれている日記で、もっと・・・もっと読みたいと思わされます。
同じように不定期だけど日記みたいなことを数年続けて書いてる身からすると、この作品が日記という形式を採った創作の作品であって欲しい・・・と思いたくなるほどの完成度の日記です。
とある日、一行の日記のときもあり、それがまたリアルに感じてしまいます。
『汗をかいても湿疹が出て、制汗剤をつけても湿疹がでる。』
これだけ・・・。
正直、この一文で惚れました。
すごく、頭の回転が早い人なんだろうな。
壇蜜さんと会って話したいとかは思わないし、そもそも会ったら緊張して何話していいか分からなくなるだろうけど、壇蜜さんと電車内でお互い無言を条件に、一緒に青春18きっぷで各駅停車の旅とかしてみたいな。
今度から、好きな芸能人は?って聞かれたら、壇蜜さんって答えるようにしよう。
日記、少なくともあと2冊は出てるみたいだから、今日注文しようかな。
会社、行きます。