子は鎹(かすがい)。

 

夫婦の仲が悪くても子供がいることで、その子への愛情のおかげで夫婦仲を子供が保ってくれる、という意味で、この諺も意味も、まぁ、普段の会話で使われることは滅多にないにしてもほとんどの人が、特に子供がいる人は知っているものだよね。

 

ただ正直、この鎹(かすがい)っていうのがどんなものなのかは特に考えたこともなく、漠然と『つなぎとめておく』ものなんだろうなぁ、くらいに思っていました。

 

流石に鎹なんて言葉は普段の生活で一切使わないからさ。

 

先日、両国の刀剣博物館に行って、ブログを書こうと思ったんだけど、自分があまりにもこの刀剣、もっというなら『日本』の刀というものに無知だったので色々と調べていたら、ものすごく奥深い世界でした。

 

刀を作る上では避けては通れない『たたら』に至っては、もはや宗教というか神事に近い作業にさえ思えます。

 

たたら製鉄には大量の木炭を必要として、故に広大な山林が必要で・・・そういうことを考えると、映画『もののけ姫』の設定はとても興味深く思えて、再度また見直したく思うね。

 

普段ブログを書くとき、例えば『なかよし』なんて、こんな風にピってやってパってものの数十秒でやれちゃうんだけど、



なかよし


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たまには、ちゃんと調べたりしてこういう風な感じで書こうと自分の中で咀嚼しつつ書いてるつもりではいるんだけど、この日本刀に関してはあまりに奥深すぎて今この瞬間でさえ、どの切り口で書いていこうか決めきれていない現状です。

 

日本刀に関すると、鎌倉時代に作られた刀が別格で素晴らしいらしく、当時作られた刀を現代作ろうとしても不可能に近いらしいんです。

 

この事実を知ったとき、正直びっくりしました。


いい国作ろう鎌倉幕府の1192年当時の時代のモノを、この世の中スマホだなんだと日々、いろいろなジャンルでのテクノロジーが進化してる21世紀に再現できないという衝撃。

 

ただ、日本刀のような工芸品(というと語弊があるかもしれないが)の分野では、時代が進めば進むほど素晴らしいものが作れるか?というと、それが正ではないことが多々あるらしいんです。

 

そんな中知ったのが、重要文化財の銘馬蝗絆。

 

平安時代(12世紀)に平重盛が中国の当時の宋から手に入れたこのお碗を、室町時代(15世紀)に将軍の足利義満が所有していたんですと。

 

ただ、お椀にヒビが入りだしたので、このお椀を当時の中国の明に送り返し替わりのものを求めたところ、当時の明ではこのお椀を作る技術が失われていて替わりのものを用意できないので、ホッチキスのようなものでヒビを修理して送り返されてきたというものです。

 

これがその返されてきたお椀とのことです。


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これが実話かどうかは、まぁ、重要文化財に指定されているくらいだから実話なんだろうけど、この修理の仕方がまた中国らしくて、なんかちょっと笑っちゃた。

 

これ、中国での製造業に従事してる人は共感できるよね。

 

送られてきたのが不良品だったから中国に送り返して、替わりに良品を送るようにお願いしたら『嘘でしょ?』みたいな。

 

第三者として傍観できる立場だったら中国のこういうところ、好きだなぁ。

 

で、何が言いたいかというと、このホッチキスみたなものが鎹(かすがい)と呼ばれるものなんですと。

 

なるほどねぇ。

 

鎹ってのはホッチキスみたいなものなんだと。

 

子は鎹、要するに子供はホッチキスみたいなもんなんだね。

 

勉強になるね。

 

それではこれから出社します。