ガイドブックには載ってないとびきりに面白い場所、それは大学だ。

東京にいる時もいろんな大学に潜入しては、学食で日本の未来(と年金)を担う若者たちと(勝手に)一緒に食事をしてきました。

となると、中国の若い人民たちが何を考え、何を食べているのかを見ないわけにはいきません。

ということで、凸撃してきました、四川大学。


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四川省の省都・成都にある大学で『四川』の名をつけているということは、四川省各地からさぞ優秀な人民が集まっているに違いない。

とりあえず第一の関門の守衛さんがいる校門を『I am 交換留学生 です』という雰囲気を醸し出しながら、なんなく四川大学に晴れて入学しました。

で、正門をまっすぐ歩いて行くと、しめしめ・・・。

購買的なのがあるじゃないですかーっ。


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とりあえずここでも『I am 中国に来たばっかりの交換留学生だから中国語話せません、分かるでしょ?』というオーラを放ちながら、四川大学Tシャツをゲット。

本当は白地のTシャツが良かったけど、サイズがXLしか残ってなかったので、残念ながらネイビーのワンポイントTを買いました、35元(700円)。


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胸の『四川大学』ってのが、ど渋っ。


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ついでにレジの店員さんにつたない英語で『今日から初めて出席する交換留学生なんですけど、カフェテリアの場所を教えてください。』と聞いて、近くの学食の場所を聞きだすことに成功してルンルンで向かいました。

で、向かう途中、多くの人民の学生が同じ方向に歩いて行くのでついていくと・・・

学食を発見っ。


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で、学食の中には若い人民がわんさかおります。

ただ、食券機食券機・・と探しても食券機が見つかりません。

どうやら中国では食券機システムではなく、みんなスイカみたいなピッってカードを持ってて、ご飯・惣菜・麺などの窓口にならんで、ついでもらったら窓口にあるとこにピッってやつをやって、お金を支払うシステムみたいです。

なるほど・・・。

ピッってやつは持ってないし、しかも一回分だけでいいんでカードも作りたくないし、そもそもカードを作るときに『学生番号を言えアル!』とか言われても面倒なので、近くに一人で食べている人民生徒(女性)に狙いを定めて

『すみません・・来週から交換留学生として学校に通う予定の下々のものなんですけど、まだあのピッてやつもってないんで、あなたのピッを貸してもらませんか?もちろんお金はかかった分の2倍、いや3倍払いますんで・・・』

と交渉したものの、僕の英語が下手すぎて伝わらなかったのか、それとも単純にキモい奴だと思われたのか、その人民生徒(女性)に席を立たれてしまう・・・。

しかも、それをみていた周りの人民生徒が『なんだ、チミは?』という、あのパンチェンラマ11世から頭を撫でてもらう為のチベット人の大行列にいたとき以上の冷たい視線をなげかけてきます・・・。

かなり気まずい・・・。

ラインで友達に好きな人の相談をしようとして、間違って好きな人本人に送信してしまうくらい気まずい・・・。

僕はそそくさと学食をあとにしました・・・。

ただ、ここまできて学食で若い人民生徒と異文化国際交流をしなかったら、なんの為に成都まで来たのか?となってしまう。

こんだけデカい大学ならまだ学食はあるはず!と、自分を奮い立たせて、どうせあるならこの学食から離れたところだろう・・・と予測し、未遂に終わった学食の反対方向に向かって歩き出しました。

で、ここまできたら大丈夫だろう、ってとこでまた道行く人民学生に『すみません、英語、話せますか?カフェテリアはどこですか?』と、聞き込み調査を再開。

因みに、4人の人民に聞いたんだけど、内容が合ってるかどうかは別にして、みなさん英語でちゃんと受け答えをしてくれました。

流石、四川大学生。

で、で、で、とうとう学食2号を発見しました。


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ただ、ここで再度凸撃しても、さっきの学食の二の舞になるので、学食から100Mくらい離れた場所に移動して待機。

僕の作戦はこうだ。

恐らくこの時間帯、学食方向に向かう人民生徒は学食に食事に行く生徒だ。

そこで、一人で寂しそうに歩いている人民学生に声をかける。

僕『すみません、カフェテリアはどこですか?』

人民『カフェテリア?あぁ、ほらすぐそこよ!私も今から食べにいくところだから、一緒にいかない?なんならあなた一人?一緒に食べない?ほら、学食では何を食べるかより誰と食べるか、って言うでしょ?え、何、あなた日本人?嘘でしょ!?私、日本語専攻なんですけど・・・やばくない!?丁度宿題が終わってなかったから、まじあなた天使なんですけど!ほら、急いで急いで早く行くわよっ!』

完璧だ・・・。

この作戦を思いつたとき、天才だと思った。

シャングリラでの夜、イタリア人カップルと闇夜に光るマニ車を見に行った時、見た瞬間彼女が『フェノメノ・・・(怪物・超常現象)』と呟いたけれど、完全にこの作戦はフェノメノだ。

ただ、作戦は完璧にフェノメノなのだが、なかなか人民学生(女)が一人で歩いてこない。

みんな人民学生(男)と一緒とか、グルーピングでカフェテリアに向かっていく。

しょうがないので、ここは学食で食事をすることを優先して、人民学生(男)でも声をかけることにした。

と、来た来た、来ました。

大変申し訳ないけれども、完全に暗そうで友達がいなそうなおっさんみたいな人民学生(男)が。

『今から僕が君のベスト・フレンドだよ、Dear My Friend』と心のなかでつぶやきながら、僕は不審者のように近づいて声をかけました。

僕『すみません、カフェテリアはどこですか?』

と。

すると、びびったことにそのおっさん人民学生は完璧な英語で

お『すぐそこだけど、君は学生?違うよね?学食では学生しか食べれないよ。僕もちょうどすぐそこのレストランで食事をするから一緒に行こう!』

と。

言い返したいけれど、向こうの英語が完璧すぎる・・・。

『ってゆうか、あんたも学食で食べないんだったら、あなた何者よ?ただのおっさんか?』と思っても、なんもいえねぇ・・・。

しょうがないのでおっさんにテクテクついていくと、学内のとある建物でパッと見レストランに全く見えない建物に連れて行かれる僕。

ただ、確かに入り口のところに迎賓的な接待的な感じの漢字が書いてありました。

で、建物のなかに入ると、おぉ・・・確かに中華料理屋特有の丸いテーブルが4-5個置いてある部屋で確かに2組くらいのグループがなんか食べてる。

で、丸テーブルに二人で座ってとりあえずマーボウドウフと白飯をおっさんに注文してもらう。

そこで判明したのが、おっさんは中国系イギリス人でロンドンの大学で研究職についていて、今なんかのリサーチで四川大学に来ているとのこと。

しかも、おっさんと思っていたら、年下だった・・・。

まじかぁ・・・

若い人民と学食でお互いつたない英語で異文化コミュニケーションしながら食事の予定が、おっさんみたいな年下の研究者、しかも英語がネイティブの人とこれからご飯・・・かなり気が滅入る。

おっさんは研究職らしく、すごい色んなことを聞いてくる。

『なんでこんなとこに来たの?中国旅してんの?何日?11日?そしたらアレか、独身か?家族がいたら、こんなことできないもんね。因みに自分も独身だよ。』

すげー余計な御世話だけど・・・当たっているのでなんもいえねぇ・・・。

しかも、『僕は中国人じゃないから気にぜずに言ってもらっていいから』と、前置きをしたうえで、

・戦争時代の日本軍の中国の侵略に対してどう思うか?

・ミスター・アベの中国に対する発言をどう思うか?

・ミスター・アベの円安経済政策はどう思うか?

・慰安婦問題についてどう思うか?

すげー聞いてくる、おっさん・・・もはやあなたは年下だろうがおっさんだ。

あぁ・・・僕が思い描いていた作戦コード『フェノメノ』で想定していた会話とかけ離れすぎている。

二時間後、僕はやっとおっさんから解放された。

来月仕事でロンドンにいくことを話したら、『ロンドンで会おう!』と連絡先を渡してきた。

別れ際、おっさんと握手をして僕は外に出ようとしたら、おっさんは建物内の階段を上っていった。

どうやら建物は大学外から来るおっさんみたいな研究者用の迎賓館的な建物だったらしい。。。

結局、中国での学食で人民学生との異文化交流は未遂に終わってしまった。

僕はとぼとぼと学内の池のほとりに向かいベンチに一人座って、

『なにしてんだろ・・・』

と、思った。


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