僕はリップクリームが大好きだ。
リップクリームがないと情緒不安定になる正式な病気にかかっている。
自宅には、リビング、玄関、浴室に複数本のリップを置くほどだ。
出張に行くときも、携帯用、洗面所用、予備の3本はかかせない。
なーのーにー、今日外に出かけるときに、まさかのリップを忘れてしまった…
もうホテルからかなり歩いてきてるので、取りにも帰れないので現地調達するしかない。
幸運にもここ成都には、沢山のコンビニがあるんで、僕はとあるコンビニに『ニーハオ』と凸撃した。
店内をグルグル見渡しても、どうもなさそうだ…と思ったら、人の良さそうなちゃんオバが近づいてきて
『何か探してるアルか?』
と聞いてきたので、リップクリームを塗る仕草をすると、ちゃんオバが
『はいはいはい、あるアル』
と、僕をとあるコーナーに連れて行き、ニコニコしながら指差した先は…歯ブラシ。
『ノーノーノー!』
と、もう一度、今度は唇をまず指差し、そのあとリップを塗る仕草をすると、ちゃんオバが
『はいはいはい、最初からちゃんとそうするアルよ』
と僕を連れて行き指差した先は…ひげ剃り。
『ノーノーノーっ!!!』
次で最後だと、唇を小学生が想像するようなチューの形に突き出し、その唇を指差しからのリップを塗る仕草をすると、
『アイヤー、それアルか?あるアル。』
と、また新しいコーナーに連れて行って指差したその先は…んっ、まさかのリップスティック!?
ただ、ちょっと待てよ…なんか太くないか…
で、パッケージをよく見ると…
『ババァ、テメェ、これパッと見リップスティックだけど、ソックタッチじゃねーかよっ!!!てか、ソックタッチがあって(しかも2種類)、なんでリップスティックがないんじゃぁーっ!!!』
ちゃんオバは、『ばれたか…』みたいな苦笑いをしてました。
中国三千年の歴史は油断もスキもない。
リップスティック買うのもひと苦労だ…しかも、まだ買えてないし…
しょうがないから、アイスを買って人民のコンビニをあとにした。
しかも、このアイス、うまい…

