街中を歩いてたら前方30メートルくらいから、
『カブトムシくーん』
と手を振りながらこちらに歩いてくる女性がいました。
同じマンションに住むSさんの奥さんだと気付き、確か同じ年だったなぁ…と思い出して
『おーっ、久しぶり~!おげんこ?』
とカジュアルに返したけど、肝心の名前が出てこない…
とりあえずあたり障りない話をしながら、名前が分からないまま話を続けるのはライツーなので、申し訳ない気持ちいっぱいながら僕は正直に名前を忘れたことを告白して、教えてもらいました。
『KちゃんだKちゃんだ、そうだそうだゴメンゴメン!』
ピンチの時は、同じ単語を2回繰り返すことによって大概のシチュエーションを切り抜けてきた僕は、なんとか今回も切り抜けてみせました。
因みに同じ単語を3回繰り返すと、相手をバカにしているみたいに聞こえるので、やはり2回がベストだ。
とりあえずそろそろお別れの時間がきそうなので、僕はクロージング・トークを始めました。
『そしたら、暖かくなってきたし、またみんなでBBQしよねー』
って。
そしたらその返事がまさかの
『えっ?BBQとか一緒にしたことないし…』
いやー、たぎったね。
名前が分からなくて申し訳ないながら名前を聞いて話してたら、そもそももはや人違いでした…
とゆうか、Sさんの奥さんのKさんじゃないとしたら、僕はもはや誰と話してるんだ…
一つ確実なことは、とりあえず目の前の女性はKさんとゆう名前だとゆうことだ。
名前を忘れて失礼し、そもそも人違いで失礼し、極めつけはそんな失礼してしまった女性を目の前にしてもはや僕が考えていたのは、『あれ…そしたらSさんの奥さんって名前なんなんだろう…?』と…。
僕はホントに人の名前を忘れるのが得意だ。
なんか脳ミソの中にでっかい腫瘍が出来てて、記憶を司る部分を圧迫してるんじゃないかと実は本気で心配しているくらいだ。
