週末のボートパーティーで出会ったPさん。
Pさんは歳も近いし、なんとなく出会った時に気が合いそうだと思いました。
因みにPさんもしかりだけど、香港人の起業精神は凄まじいものがあります。
人に使われるより、人を使う方でありたいという勢いがハンパないです。
そんなPさんもなんか色々なビジネスをやってるみたいなんだけど、船の上で『今この会社の名刺しかないけど…』と渡された名刺のHPをみたら、
もはや下着のブランドでした…
素晴らしい。
そんなPさんに相談したいことがあるから食事に行こうと誘われ、先日食事へ。
相談内容は、久しぶりにぶっちぎっていた。
要するに、ゴルフクラブのシャフトを日本に売りたいらしく、iPadでそのシャフトのブランドの日本語のHPを見せてきた。
それはアメリカブランドのシャフトで、そのブランドの日本法人のHPでした。
『これと全く同じシャフトが捌けるから、誰かゴルフ業界に知り合いいる?』
と。
『因みにその捌けるシャフトってのはこのHPのシャフトと全く同じってコトはロゴが入ってるってこと?それとも全く同じクオリティーだけど、ロゴが入ってないやつ?』
と聞くと自信満々に
『もちろんロゴ入り!』
と答えるPさん。
そんなの売れるわけがない…
なので丁寧に自分の意見を伝えました。
『そもそも今見せてくれたHP、日本語だろ?なんでかって、日本法人があるからだろ…ほら、ここ見てみ…ジャパン社て書いてあるじゃない。しかも、仮にこのブランドをAとすると、どこのゴルフクラブメーカーがAとロゴが入ってるシャフトを買うんだよ…BMWにベンツマークのあのマークだけを売るようなもんだろ…しかも、奇跡的にBMWが万が一、Pがどっから仕入れてきたかも分からないベンツマークだけ買ったにしても、ベンツから商標の侵害で訴えられるだろ…』
と。
Pさんは真剣に頭を抱えながら『確かに…』と。
『あぁ…折角の投資が…』
と言ったので
『投資?どういうこと?』
と聞くと、もうすでにシャフトを買ったらしい。
何本買ったの?と聞いて返ってきた答えを聞いて、正直たぎった。
『1500本』
しかも、今、家に保管してるらしい…
Pさんには申し訳ないが家にシャフトが1500本もあるのを想像したは笑いが止まらなかった…
因みにゴルフクラブは、ヘッド・シャフト・グリップから成り立ってるんだけど、シャフトというのは、あのゴルフクラブの棒の部分です。
ゴルフクラブの完成品ならまだしも、シャフトだけ…
昔の固定電話でいうと、電話機本体・コード・受話器から成り立つ電話機で、あのウネウネしたそれ単体だとなんの為にもならないようなコードの部分だけ1500本持ってるようなもんだ。
僕はその瞬間思った。
『なんて愛すべきバカなんだ…』
と。
彼はもしサムソンの携帯の営業マンなら、まず最初にアップルの本社に飛び込みで営業に行くタイプの猛者だ。
ただ、その次に発したPさんの言葉が僕ら日本人の斜め上を行く発想だった。
『因みに日本って商標に関する法律って厳しいの?もし破って捕まったら、刑務所何年くらいの刑?』
良いか悪いかは別にして(というか、もはや悪い…)、この発想は通常のまともな日本人だったら出てこない発想です。
とりあえずそのブランドの現地法人のない国を探して売り先を考えてみるらしい…
僕は何も手伝いは出来ないけれど、彼ならなんとかやれる…というか、やっちゃうんだろう。
香港には色々な人がいるなぁ…


