ジョギング中、色々考えようとしたけれど、ムリでした。
ジョギング中、脳に酸素が足りてないのか、まぢめなコトを考えるのには、向いてません。
ジョギングから戻ると、映画を見ました。
『Elysium』
マット・デーモンさん主演です。
もはやカッコいいです。
見てて、冒頭からずっとソワソワしだしました。
自分自身が一番分かってました。
『ダメだダメだ…お前はカブトムシだ…マット・デーモンさんじゃない、カブトムシだ…』
と。
僕は数年前に小倉に住む幼馴染を訪れました。
幼馴染はレンタルビデオ屋さんでアルバイトをしていたんだけど、突発的にレンタルビデオ屋さんを辞め、帽子屋さんでアルバイトを始めました。
彼は言いました。
『もちろんそんな甘くないのも分かってるし、多分失敗すると思う。でもさ、自分で帽子屋さんをやりたいんだよね…俺、バカだからさ、自分でやって失敗しないと、分かんないだよ…』
と。
その気持ち、激しく理解できます。
男はみんなバカなんです。
やってみて、後悔して、初めてその意味を知るんです。
僕は途中で映画を止め、服を脱ぎ、裸でバスタブに向かいました。
手にはバリカンを持って…
一年振りに髪をなぎ落としました。
シャワーで短い髪の毛を流し、身体をタオルで拭き、洗面台の鏡を睨みつけます。
僕はバカだから、その時になって初めて気付きました。
僕は、マット・デーモンさんじゃない、と。
正直、薄々は気付いてました。
こんなイケメンではないと。
でも、マット・デーモンさんに若干ニアぐらいはイケるんじゃないかと思ってたんです。
鏡の中には、マット・デーモンさんから程遠い、典型的なアジア人の顏がありました。
バリカンなんか香港に持ってこなきゃよかった…




