恐らく、僕の記憶が正しければ、僕が社会にでて働き出したときって、全然聞いた覚えがないんです。
『コンプライアンス』
って単語。
それがここ最近、猫も杓子もコンプライアンス。
どこに行ってもコンプライアンス。
もちろん、本来の意味、まぁ、本来の意味というか日本でどういう意味で使われているのかは、会社によって違うんだろうけど、本来の意味でコンプライアンスを守るってのは否定はしません。
ただ、あまりにもこの単語が安易に使われているような気がします。
とりあえず、なんか出来ない時の理由や断る時の理由として、『コンプライアンス上・・・』とか『コンプライアンス的に・・・』って、言っとけば間違いないみたい。
例えば、とある人が皇居でタバコのポイ捨てをするとするじゃない?
それを見てて、注意するとしたら、どんな理由があるかって話です。
あえて分かりやすく書くと、
『マナー的にそもそもポイ捨てってよくないよね?』
とか
『モラル的に皇居でポイ捨てってどうなの?』
とか
『ルール的に皇居のある千代田区はポイ捨て禁止条例があるわけだし・・・』
とかさ。
それを今では何も考えなしに
『いや、コンプライアンス的にダメでしょ・・・』
って言っているような風潮に感じられます。
要するに、とりあえずコンプライアンス的にって言っとけば、千代田区にポイ捨て禁止条例があるかないかなんか知らなくてもいいし、皇居がどのような場所か理解しとく必要もないんだからさ。
この言葉は、ホント人々から『考える』ってことを奪っちゃったと思うね。
もし、仕事上の取引なり案件で先方から
『コンプライアンス上、出来ません。』
と言われたら、ぜひ聞いてほしいと思います。
『それは法律的にできないんですか?それとも法律的にはOKだけど、貴社の企業モラル的にできないんですか?』
って。
普段、コンプライアンス、コンプライアンス言ってる人の、半分くらいはこの質問に答えられないんじゃいなかなぁ・・・ってのが、僕の実感です。
もはや女性に告白やプロポーズしたときに、コンプライアンスを理由に断られる人もでてくるんじゃないかと危惧しています。
しかも、振られた方も
『そっか・・・コンプライアンス的にダメだったら、しょうがないね・・・』
みたいな。
