コンビニのレジでピッピッお会計をしてもらっていたら、僕の後ろに素敵な女性が手ブラで並んできた。

因みに、手ブラってのは、手に何も持っていないということです。

恐らくその素敵な女性は、タバコを買うのだろう。

今となってはお会計がいくらだったのか忘れたが、お釣りは8円でした。

ここはスマート&ジェントルマンでいこうと思い、

『お釣りは募金箱へお願いします。』

と一言レジの若い男性の店員さんに伝え、袋を掴み、出口への三歩目を踏み出そうとした時、

『お客さまー』

と、お金を渡した店員さんに声をかけられた。

せっかくスマート&ジェントルマンがきまったのに…早くその素敵な女性のタバコのお会計をしてあげて…

と思いつつ、『ん?』という顔で振り返ると

『すみません、うち募金箱ないんですよ…お釣り…』

スマート&ジェントルマンどころか、店員さんにも迷惑をかけ、素敵な女性のお会計まで遅らせてしまった。

小さな親切、とっても大きなお世話以外のなにものでもない。

要するに、僕は『もってる』か『もってない』かでいうと、もってない部類なのだろう。

これが本田圭佑選手だったら、レジに募金箱があるのだろう。

もし、募金箱がないとしても、本田圭佑選手の場合は店員さんが空気を読んで、お釣りは自分のポケットにそっと入れてくれるのだろう。

残念ながら僕の場合、店員さんは空気を読む代わりに空気を吸っていた。

『あっ、すみません…』

と恐縮しながら、8円のお釣りを受け取り、そそくさと逃げるようにコンビニをあとにしました。


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