酒臭い風呂からあがった。
出来るだけ呼吸の回数を少なくし、肺を含めた全身の細胞に空気が行き渡らないように気をつけながら、身体から全ての水滴をタオルで拭き取る。
体重計に乗る前に、再度息を吐き出し、出来るだけ身体を軽くする。
体重計に乗った。
ぎゃびーーん、だ。
たった1.2キロしか減っていない。
身体の60%がホントに水分だとしたら、絶対にもっと減っているはずなのに、なのに1.2キロしか…
頭にきた。
小学校二年生の頃、北村先生という恐らく北村という苗字の先生がいた。
子供たちから、『頭にきたむら』と呼ばれていた恥ずかしがり屋のナイスガイだ。
それにしても、頭にきた。
もう一回風呂に入ろう。
73.8キロなんてありえない。