SF作家の方にはじめて、LMNにご出席いただいた例会でした。
SF作家として活躍されているほかに、ニセ科学を批判する立場であるASIOSのメンバー
としての活動もされています。なによりも、一世を風靡した「と学会」の元・会長でありました。
お話しいただいたのは、ニセ科学。
文系の集まりであるLMNメンバーにとっては、不足している科学にまつわる知識のお話。
途中、山本さんが最近行った中学校での講演資料をご披露。
このアンケートは2つの中学校で行った結果の報告。
かの有名なニセ科学「水からの伝言」、まだ信じている中学生がいる!
社会心理学の授業で学んだ「認知的不協和」を再確認。
信じていた教団の指導者が大地震が来るぞ!と言ったのだが、それが大外れ。
じゃあ教団を辞めるかと言えば、さに非ず。
教団への勧誘を積極的に行って、信者を増やすという一連の行動。
仲間が増えることで、自分の心の安定を図ろうとする人間心理。
人間の心理の問題が、ニセ科学を浸透させる根本にあるのです。
特に、名誉欲に憑りつかれるとやっかいです。名誉ではなく、メシアコンプレックスなどもそう。
100%自分が正しいと思い込んでいるから、他人の真っ当な指摘なども耳に入らない。
そしてSNSによって、ニセ科学情報拡散が激しく、広範囲に。
ちょっと立ち止まって考えなければ。
自分が広めようとしているその情報のソースは何か? それは科学的に正しいのか?
都合の良い情報でホントウは正しくないものじゃないのか、自分で判断しなければ。
学びの多い時間でした。
また、教育の現場での事柄が取り上げられていたので熱く舌戦が繰り広げられる時間もあり
刺激的でした。(近頃の子供たちもタイヘンだなあ。)
また、山本弘さんの本業である小説を未読の方は是非自分の読書体験に加えてほしい。
根底に人間愛がある作家さんなので、作品にそれが現れています。
井上のマイフェバリットBOOK
◎「アイの物語」 …詩音の来た日 衝撃の一言「すべてのヒトは認知症である」
◎「神は沈黙せず」 …「人は自分が信じたいものしか信じない」の証明
◎「詩羽のいる街」 …評価の高い、非SF的「すこしふしぎなワンダーランド)
tane