昨年note経由で連絡を受け、喪失をテーマとした映像インスタレーション展の作品出演協力をした。


その作品展は2月で、もう半年も経ったのだと思うと時が過ぎる速さに驚くばかり。


事前にアンケートと参加への意志確認をされ、私は身体機能の喪失についての取材?を受ける事になった。


誰かの喪失の何かに役立ちたいとか

そんなたいそうな気持ちは全然なくて、

その美術家さんの制作意欲?に協力しようと思っての事だった。

私も物作りが好きだから。


あとは、それがどこかで何かに繋がる可能性も少し考えた。今のところ何もないけど口笛


私の動ける行動範囲内に来て貰って映像を撮り、編集後にその映像チェックをしたりした。


その映像を撮るにあたり、仕事で制作しているような物を用意して欲しいと言われ、手元にあるもので適当に準備した。


仕事で制作している物を作って渡す事は出来ないから、似たようなオリジナルの物を考えて。


必要なものは購入すると言われたけど、そのやり取りにまた時間を要するのも面倒で自前のものを準備して、

撮影中に仕上げまでの作業をしながら質問への受け答えをした。


映像展は都内開催で、私は見に行く気

は無かった。例え行きたくてもこの身体で都内に行くなど自殺行為。

かと言ってタクシー云々してまで行く気もなかった。


ところが、年明けに久々に連絡してきた特別養護老人ホーム勤務時代の同僚が車を出すから行ってみる?と言ってきた。


彼にも友人を自死で亡くしたり、喪失の経験がいくつかあって行ってみたいようだったからお願いする事にしたのだった。


都内に向かう道路、私には無理だ……と
手に汗握る時間だった。
どのみち運転出来ないけど。








近くの駐車場に止める事が出来て、
一度通り過ぎたりしながらも観に行く事が出来た。

まさか都内を杖をついて歩くとは。

映像展では何人かの喪失体験を知り、
色々な事を経験している方が居るのだなと思った。

観に来た人には、
私はどう映ったのだろう。
なんて考えた。

映像展後はメールで感想等を伝えた。
グリーフケアとして、必要とする方に向けた方が有意義なのでは?等など。

そもそも、日々精一杯の人間が幾度経験するかわからない、出来れば経験したくない喪失に自ら向き合いたいと思う場面があるとは私には思えないなぁ…と。

どうするか、
どうしていくかはその方の自由。

ただ、
私は身体障がい者になって色々体感してきた。
結果、そんなわざわざ喪失と向き合いたい精神的に余裕と向上心のある人なんて居るか?居なくね?居ないな。
としか正直思わんからそう伝えた。

実際、観に来た人のアンケートの中には、「なんでこんな辛い事をわざわざ示すの?」という内容も結構あったらしく、ほらねと思ってしまった。

そういう人は何で観に来たのかね。

誰かを失ったとか、喪失体験があれば気持ちが向くかもしれないけど、
そういう経験もなくてというのは中々考えにくいのかな……と。

何にしても、奇特な事ねぇ…と思う。
ご自身にも喪失体験がある美術家さん、不特定多数に向けて喪失というテーマを投げかけるなんて。

私には無理だわ。
私はそこに時間は使えない。
使いたくないなぁ。

感想と共に、最初にノーギャラであるという事のアナウンスもした方が良いのでは?少し何か包むなりも必要かもよ?とも伝えた。

私は素人だし、ギャラを要求出来るような立場にもないし、きっとこれは
ノーギャランティなんだよねと思いながら終わるまで眺めていた。
ま、良い勉強だと思えばいいか……と。

でも、準備なりにもそれなりに時間はかけたし、撮影にも協力したり私の貴重な時間を使ったのは事実だから、

例えこういった作品を作る事に制作費用がかかるにしても、それはそちらの都合よね?と思うし、

出さない前提なら最初からノーギャランティを示すべきだろうし、
それでも飲み物1本でも渡すとかそういう気遣いってあったほうが良いと思う。

こっちは同意したとはいえ、
世に言うデリケートな事をひけらかしているのだし。
承知の上でだけども。

わかってはいたけど結局最後まで何もなく、私はむしろ撮影時に水を1本あげたりしたけども……。

作品制作となると忙しかったのだろうから、他に回す気などないのも仕方なかったっちゃなかったのかも?

その後も喪失をテーマに活動を続けておられるようで、参加費用を提示して作品作りをしたい人を募る形にしたようだった。

よくやりますなぁ……。

映像展に参加してみて、その経過で新たにわかった事があった。
それは、喪失は続くという事。

自覚がなかったけど、
機能を失った……で終わりではなくて、
前には出来ていた事が喪失によって出来ないと自覚する度、それは小さな喪失なのだろうなと。

だから、
その度に小さく喪失していくという事なんだなと。
自覚がなかった位に当たり前な事として受け入れてきたのか……と気づいてしまったような?

あ、やっぱり身体的には痛みはないけど、
ソコソコ生き地獄だな真顔wって。
喪失、続くんか〜って。


仕方ないけど、

何なんだろう、本当に。


そんなふうに思った経験の話。


読んで下さったお方、

長々とありがとうございました爆笑