
父が旅立った時の事は、覚えているけど覚えていないような、
目の前で起こった事なのにそうではないような、
でも現実には違いはなくて、
本当に父の姿も見れなくなってしまって。
あぁ、居なくなってしまった…でも、どこかリアルではないような。
とにかく時は流れるし、立ち止まってはいられなくて色んな事が進んでいって、多分必死にそれについていったのだろうけど、
冷静になって振り返ると…、
その頃の私は喪失感でやっぱりおかしかったな…と思う。
私がしっかりせねばと思わざるを得ないような状況だったし、色々な事に気付けなかったのだと思う。
渦中に居ると気付かないものだし…。
今なら関わらないような、
関わりたくもないような人間と関わってしまったし、
その結果は案の定な事になったし。
何故あんな事をしたのだろう…と悔しくなる事もあるし、黒歴史的要素が盛り沢山だったなと思う。
父が急変して入院した頃に私はインフルエンザになってしまい、
旅立つまでの父との時間を密に持てなかった。
それが今でもとても悔しい。
インフルエンザとわかった時には泣き崩れたっけ。なんてタイミングが悪いのだ…と。
父がこの世で過ごす時間がいよいよ少ない…となった時には皆集まっていた気がする。
父の姉達も居たと思う。
さすがにインフルエンザが完治しきれていなかったはずの私も通して貰えた…のだろうな。
目の前で見たのに、
しっかりは覚えていない。
どんな感じだったのか、
何が起こっていたのか、
細かくは思い出せないのに、
父が旅立った事だけはしっかりと覚えているのが何とも言えない。
そして目に焼き付いた場面は、
父の喉仏の、この世で最後の動き。
ゆっくりと顎の方に戻っていったのを最後に、もうその動きを見る事が出来なくなった。
まるでスローモーションのようだった。
父が旅立って20年以上経つけど、
ぼんやりなようで鮮明に思い出せるような、忘れる事の出来ない場面。
そして、余裕で泣ける。
少し霊感のある伯母が、
父の顔がクッとなって魂が出ていくのが見えたと言っていたらしい。
ALSで苦しまなくて済むようになったのにはホッとした。
でも、淋しい事、悔しい事には変わりなく…未だに複雑な気持ちはある。
私がそっちに行ったら会えるかしら。
そっちは魂レベルで分かれているらしいから、会えるとも限らないらしく…。
会えるレベルになれるよう頑張ってみるよ、父さん。
時々思い出してくれればいいなんて言っていたけど、時々なんて、そんなんじゃ間に合いませんわ。
結構思い出してまっせー、
宝くじ当ててー!とかね
頼むよ父さん、お力添えを………
しかし私の現状が父の旅立ち後でまだ良かったわ…なんて、先日伯母と話したっけ。
そっちで愛犬◯◯◯、愛猫◯◯◯達と伯父さん達とゆっくりねー。