線や色を懸命に描き足したり

生きながらにして

惨たらしく奪った毛皮を

身につけたり


自分を飾るために命を奪ったり

無理矢理むしり取ったり

そういった事で

人工的につくりあげられた

視覚的で一時的な美は

本当に美しいのか…


障害を負い着飾る元気も意味も失せた私はこう考えるようになった

年齢よりも若く見られたり

そこそこ小綺麗にしたい気持ちは

私にもある


何が引っかかるのかというと

人間が一時的に綺麗に見せる為に他の命を実に軽々しく扱い

それを何とも思っていないという事

服飾に限らず全てにおいてだけど


だから私は…

例えば毛皮を身につけ

ポージングをしているモデルが

居たとしたなら

目を背けてしまうしキメ顔に大いなる

不快感を抱いてしまう


そこに行き着くまでの努力は物凄いものだとは思う

ただ

しゃなりしゃなりと歩く姿も
私には全く違うものに映る
それが良いか良くないのかではなくて

私が本当に美しいと感じるのは
自然とそこにあるもの



動物達
澄んだ瞳


それこそが美しいと思う
うわべの美しさが美しいとは限らない
そう思う

やっと
自分の眼で物がみえるようになった
そんな気がする