※人工死産の内容です。ご理解のある方のみ閲覧をお願いいたします。




あさひを出産して、

色々と複雑な気持ちを抱えて家族3人の時間を過ごしましたが、すぐに現実に引き戻されました。




火葬の手配をしなければなりません。


先程、夫が一度病室に戻った際、火葬場に電話をしてくれていました。


胎児の火葬は、火の弱い9時、10時、あと16時が良いそうで、次の日は全て予約で埋まってしまっており、その次の日なら全て空いているとのこと。


ただ、出産をして母体の状態に問題が無いことを確認してからでないと予約ができないので、分かり次第連絡が欲しいと言われました。

仮予約などもできないそうです。


出産後、稀に胎盤摘出の手術だったり、絶対安静で入院になる場合もあるからだそうです。


確かにそうですよね…。

2人ともちょっと焦ってしまいました。。





出産後院長先生に、状態に問題がなく本日退院の許可も出ていたので、予約の電話をしに夫が分娩室の外へ出ました。


夫は割とすぐに戻ってきて、

明後日の10時がまだ空いてたから予約入れたよ。

と言いました。


先程まで空いていたのに、9時は既に埋まってしまったみたいです。






しばらくすると、あさひと助産師さんが戻ってきました。



準備ができました。

と言って見せてくれたあさひは、可愛く胸で手を組んで、私の作ったお布団に寝ていました。


そしてお願いしていた手形と足形。

とても綺麗に取って下さって、母子手帳と同じサイズの台紙に貼られていました。


母子手帳には、

身長と体重も、書いてくれていました。


150g、20cm


小さかったけど、この週数では平均的な大きさです。


心臓の壁がないと言われていましたが、そんな事を感じさせないくらい、ちゃんと大きくなっていました。





そして、助産師さんから死産証明を受け取りました。


私は今から1時間くらいは安静にしていないといけないので、病室に移って休みます。


その間に、夫が死産証明を役所に提出に行き、死産届提出後、火葬許可証をもらってくることになっていました。


次の日でも良かったのですが、できるだけ今日のうちに済ませておきたかったので。




会話の様子を聞いていた助産師さんが、


👩『あれ、どちらまで行かれます?』


と質問しました。



私達は、死産届は所在地の区役所しか受付られないと思い込んでいました。

疑う余地もなかったので、特に疑問にも思わず。。


ですが、所在地でなくても出産した病院のある区役所でも死産届の提出と火葬許可証の発行はできると思う、と助産師さんが教えてくれました。


しかもその病院から区役所は徒歩圏内。


夫はその後すぐに区役所へ向かいました。






そして私は、麻酔をしているので歩いてはいけないということで、車椅子で病室へ移動してベッドで休みました。


あさひは、一緒にいてもいいし、涼しいところにいてもらうでもいいよと言われたので、涼しいところにいてもらう事にしました。




休んでいる間、今日のことを忘れないように、

スマホのメモに朝からの事を思い出せること全部書き留めていました。


その時はブログを書くなんて全く思ってなかったけど、どうしても今日のことは残しておきたいと思いました。



自分の気持ちや夫のこと、先生や助産師さんにしてもらったこと、あさひのこと。

全部忘れたくなかったので。 





メモをしていたらあっという間に時間が過ぎて、

火葬許可証を受け取って夫が区役所から戻ってきました。



そしてちょうど夫が戻った頃に助産師さんが来て、母乳が出ないようにする薬と、子宮収縮の薬のこと、産後の過ごし方などを説明していただきました。


2週間後、6週間後の検診の予約も取りました。


体調も問題なく、歩いてトイレも行けたので、そこで退院となりました。



あさひは、持ってきていた保冷剤を入れ、箱は丁寧にタオルで包み、保冷バッグに入ってもらって帰る準備をしました。






帰りは助産師さんが、出口まで送ってくれました。



👩『体調、お気をつけて下さいね。また検診の時、お会いできるかもしれないですね。』


この言葉で、出口のところでまた涙が出てしまいました。


本当に良くして下さって、感謝の気持ちでいっぱいで感情が溢れてしまいました。



『本当にありがとうございました。』



2人で助産師さんにお礼を言ってクリニックを後にしました。








出産前は、

自分達が決めたことに後悔せずに前を向いて進むしかないと、気持ちの整理はできたつもりでいました。



それが、あさひを出産して、

あさひを見ると、

そして出産のことを思い出すと、

複雑な感情が甦って自然と涙が溢れてくるようになりました。



暗くなった帰りの車の中でも、

家に帰ってきてあさひを見た時も、

ベッドに入ってお腹を触ったときも、

眠りについて夢を見た時も、

涙が止まりませんでした。