『契り橋』 高田 郁
『あきない世傳金と銀』の特別巻上です。
シリーズを彩った様々な人たちが主役として描かれた短編集になってます。
最初に登場したのは五鈴屋を出奔した惣次。
彼が井筒屋三代目となった経緯が描かれてます。
これは詳しい事がわかってよかったです。
五鈴屋はいろんな事がありつつもみんなに愛され商売も順調。
支配人の佐助が奥向きの女衆を探してる時に出会ったおちか。
佐助の過去の恋とおちかへの想い。
老いを感じてこの先の人生について悩むお竹。
店を若い人に讓り故郷へ帰ることにした近江屋の久助。
この時代の江戸と関西は気軽に行き来出来る距離ではない。
今生の別れになるであろう二人の別れのシーンがとても切なくも清々しかったです。
最後は手代の賢輔の恋。
店主の幸とのこれからは、この時代だからこその縛りが大きくて前途多難。
でもきっと乗り越えてくれると信じてます。