『小暮写眞館』 (上・下) 宮部 みゆき
家族とともに古い写真館付き住居に引っ越してきた高校生の花菱英一。
変わった新居に戸惑う彼に一枚の心霊写真が持ち込まれる。
その心霊写真の謎を解くことになった英一。
謎を解くにあたって関わることになった不動産屋の垣本順子や高校の同級生たち。
彼らとの関わりによっていろんな人生が見えてくる・・・・。
心霊写真とかオカルトは苦手分野だな~と思いながらこの長編を読み進めていきました。
持ち込まれた不思議な写真はそんなに多くなく謎解きが中心ではなかったので、挫折することなく面白く読めました。
垣本順子が抱えている問題、英一一家の悲しく辛い過去。
各々が封印してきた過去にちゃんと向き合い新たな一歩を踏み出した人々。
英一の年の離れた弟、親友のテンコ、同級生カップルの原口とコゲパンなど英一の周りには頼れる仲間がたくさん。
英一の両親、テンコの父親は考え方が面白いちょっと変わった人たち。
新たなスタートのこの時期にふさわしい結末に心が温かくなった作品でした。