『ツリーハウス』 角田 光代
祖父の死をきっかけに、自分の家族のルーツに興味を持った孫の良嗣。
出入り自由の寄り合い所帯、親戚もいなければ墓の在り処もわからない。
祖父母が出会った満州へ行けば何かわかるのでは?
かくして、祖母とひきこもりの叔父と3人で中国へ・・・。
中国での珍道中が物語りの中心になるかと思ったら、時代は昭和15年に遡り祖父母が満州へ行くところから現在に至るまでの家族の歴史が描かれてました。
中国での様子はところどころに織り込まれいく感じ。
とにかく「逃げる」人生を送ってきた祖父母。
でも生きるためには、生き残るためには仕方なかった。
そんな夫婦は子供たちにもやはり「逃げる」ことしか教えられなかったと後悔する場面も。
苦労の連続だった満州での生活、やっとの思いで日本に帰ってきた2人が生活の拠点としたは新宿。
そこで中華料理店を営み生計を立て子供たちを育てていく。
その子供たちもなんとなくパッとしない・・・・。
共感できる部分はあまりなかったけど、いろんな人生が垣間見ることの出来る一代記(いやこれは孫の世代まで出てくるから三代記かな?)は時代の流れを感じることができやっぱり好きだな。