ランピー・シアター

                 『ユートピア老人病棟』    江川 晴

元眼科医の湯浅マキは79歳。

物忘れは多少激しくなってきたものの、足腰丈夫で至って元気。

ある日息子夫婦に誘われてドライブに出かけるが、着いた先はなんと病院だった。

しかも認知症の傾向が見られたため、そのまま検査名目で入院させられてしまう。

同じ病棟のそれぞれの事情を抱えた入院患者たちに次第に興味を持ち始めるマキだったが・・・。

老いは罪なのか、老人が誇りを持って生きられる場所はないのか。

コミカルなタッチで高齢者の自立・幸せを問う、ユーモア医療小説です。


主人公のマキが面白い!

まだまだ自分は大丈夫だと思ってはいるけれど、たまにいろんな事が思い出せなくなってるのも事実。

そんなこんなで強制的に入院させられてしまったけれど、しっかりそこでの生活にも馴染んでいく。

入院先の病院で出会った様々な患者たちも個性的で面白い。

いや、認知症の症状でそうなってしまってる人が殆どなので面白いといったらちょっと語弊があるけど・・・。

でも人間自分に出来ることが見つかると人が変わったように昔の感覚を取り戻して元気になることも!

続編に期待したい希望に満ちたラストでした。