ランピー・シアター

              『希以子』     諸田 玲子

私の好きな女性一代記です。

東京の下町で生まれ育った希以子。

忙しい母に代わって近所に住むマツにその家の娘・美紗緒と共に姉妹のように育てられた幼少期。

生母・よしが男と出奔したころから人生の歯車が狂い出す。

大洪水や関東大震災を経験し、美紗緒の嫁ぎ先の長男・市太郎に恋をするも反対されて別れる運命に・・。

父親の気に入った男と結婚するが夫の暴力に耐えかねて離婚。

その後、満州で成功した市太郎と再会し幼子を連れて大陸に渡るが・・・・。

過酷な運命に翻弄されながらも、激動の時代を明るく逞しく生きた女性の物語です。

これでもかこれでもかと押し寄せる過酷な運命。

周りの人には恵まれつつも男性には泣かされ続けた希以子。

それでも生きていくために頑張り続けた希以子。

女性の強さを痛感しました。

そういう時代だったとはいえ、やっぱり凄い!

それに比べて登場する男たちの身勝手さやだらしなさには呆れるばかり。

まあそういう男がいるから女がしっかりせざるを得ないんでしょうけど・・・。