沈まぬ太陽 山崎 豊子
アフリカ篇 (上・下)・ 御巣鷹篇 ・ 会長室篇 (上・下)
映画化され、テレビ放送で観た時から読んでみたいと思ってた作品。
10月初めから約2ヶ月かけて読みました。
途中2冊予約をしていた本が回って来たので一気にとはいかなかったけど、どっぷりと主人公である恩地の人生に浸った2ヵ月間となりました。
国民航空社員である恩地は無理矢理押し付けられて労働組合委員長を務めた結果、上層部の反感を買い海外の僻地勤務を命じられる事に・・・。
海外僻地は2年以内という決まりがあるにもかかわらずカラチ(パキスタン)・テヘラン(イラン)・ナイロビ(ケニア)と10年にも及ぶ海外勤務をすることに。
なんどか東京に戻るチャンスもあったが信念を曲げなかったばかりにその話もなかったことに・・・。
やがて東京に戻って来たが、配属されたのは日の当たらない部署。
そんな時、あの御巣鷹山墜落事故が起こる。
事故後現地に飛び乗客の家族の世話にあたる恩地。
事故現場・身元確認などあまりに生々しくて、読むのがちょっとしんどかった・・・。
遺族係として大阪で奔走する恩地。
事故から4ヵ月後、国民航空再建のため関西の紡績会社会長である国見が会長として就任する。
恩地も国見の指名を受け「会長室」室長に抜擢される。
だが、社長も副社長も自分の出世しか頭にない。
他の部長たちも私利私欲丸出しで乗客の安全より利益優先。
臭いものには蓋をしてしまう。
本気で再建に乗り出してる会長の足を引っ張ることしか考えてない。
国民航空の腐敗の温床となった黒幕には読んでいて腹が立つ!
でも少数ではあるが勇気を出して真実を語ろうとする人がいる事に救われる。
もう一度映画も観たいな!