ひとり

CMバンバン流れる。


岡田君、プロモーションでテレビ出まくる。


そんな劇団ひとり原作の映画を観て来ました。


原作は読まずに行きました。


小説が映画化される時いつも迷う。


先に読むべきか。観るべきか。


先に読んでしまうと、内容が凝縮された映画に物足りなさを感じる。そんな気がして。


先に観てしまうと、登場人物を皆映画に出演した俳優のイメージで想像してしまって面白くない。そんな気がして。


迷った挙句、今回は先に観る事に。


キャスティング的に、小説を読む時にそのイメージが植えつけられてしまっても心配ない気がしたので。


ええ。単純に岡田君がかっこよくてあおいちゃんがかわいいので。


感想としては、思ってたよりずっと良かった。


元々群像劇が好きってのも大きいけど、観終わった後に心がホッとなる感じが何とも良かった。


元々涙腺がだいぶ緩いってのもあるけど、結構な量の涙を流した。


隣に座ってたハリセンボンはるなにそっくりな中学生も泣いてた。


悲しいわけじゃなく、寂しいわけじゃなく、あったかさに心が緩んで涙が出る。そんな感じ。


街ですれ違った人達の人生がどんなものなのかを聞いてみたくなる。そんな感じ。


劇団ひとり、元々割と好きやったけど、今回でもう少し好きになった。


ミステリーもアクションもハラハラして面白いけど、やっぱり観終わったあとの余韻が一番残るのはこんな平凡な日常を切り取った群像劇。


だって大半の人が、刺激ある生活に憧れながらも、捨て切れないものや守りたい物の多さから平凡な毎日を余儀なくされているわけなので。私自身もそうなので。


平凡でも、視点を変えてみれば当たり前に思っていたものでもキラキラして見えるんやって事を教えてくれるのはやっぱりこんな群像劇。


原作とキャスティングの良さが相まって生まれた見事なハーモニー。

ブラックコーヒーとチョコが生み出す見事なハーモニー。

そんな感じ。


~劇団ひとりさんへ~

「ガキの使い」の笑ってはいけないシリーズ。病院編にも出て来てくれる事をものすごく期待していたのに。


『百夜行』などで有名な東野圭吾の作品。


事件に巻き込まれた一人の男が垢の他人の脳の一部を移植された事から物語が展開。


臆病者で、平凡だったはずの男が次第に変わっていき、日を増すごとに凶暴になっていく。


そんな男をひたすら信じ、愛し続ける一人の女。それでも変身を止める事は出来ずに破滅に向かっていく男。


短くまとめるとそういう話。


私なりにまとめるならそういう話。


この人の作品のすごい所は、なんとなく先の展開は読めるんやけど早く先へと進みたい気持ちにさせてくれる所。


この作品でも、主人公に移植された脳は彼の頭を撃ち抜いた凶悪犯のものだったっていうオチがあるんですけど、もうそれは途中から誰が読んでも何となくわかる展開になってます。


でも、それでも、先を読みたいと思うのは、皮肉な運命の中で苦しみ、葛藤する色んな人達の感情が上手く描かれているからなんでしょうね。


非情な現実につぶされそうになりながら、主人公や周りの人達の感情や想いはどこに辿り着くのか。

それが気になるから読み進める気になるんでしょうね。


個人的にはやはり主人公の恋人の献身的な愛情にやられました。


多分人によっては馬鹿な女だと思う人もいるでしょう。


でも私は作品を読みながら何度も「ええ女や」とつぶやきました。


大好きな人が変わって行っても、そしてそれはどんなにあがいても止める事が出来ないものやとわかっていても最後まで愛し続けるなんて。


もはやそれはオカンにしか成し得ないことではないのか。


それが恋人に対して出来る女。


いや、素晴らしい。