夕暮れの魔法 | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

こんな風に出会えたらな。 ハリー?嵐さん?琉夏? それとも? 


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外に出ると西に太陽が傾いてた。

夕暮れ・・・早くなったな。

空を見ながら、自転車を走らせる。

昼間とは違う空は、優しい水色に変わっていく。

これからオレンジに色を変え、だんだんと紺色へと染まっていくんだ。

水色に映える真っ白な雲が今日もふわふわと流れていくよ。


「はぁ・・・。」

ため息・・・・・なんてつくと幸せが逃げるんだぞ・・・・なんて

いつも君が言っているんだったね。

でも、振り返っても、見回しても・・・・君の姿はそこにない。

だから、ちょっとだけ・・・・ため息一つ。

ううん、

ため息・・・じゃなくて〃会いたいよ〃の言葉。

音にならずに消えていくよ。

君は今頃何してるんだろう?


いつもの町並み。

国道を車がたくさん行過ぎる。

軽く口ずさむ歌。

自転車の上で、気がつくと君へのメッセージソング。

国道を曲がって、住宅街を抜けて、いつもの道が見えてくる。

空のオレンジが色濃くなってきた。


「・・・ちょっとだけ淋しいな。」

ちょっと? ううん、凄く? 君に会いたくて・・・・。

魔法が使えたらいいのに なんて いつも思う。


あの角を曲がったら家が見えてくる。

カラカラカラ・・・・。

ペダルをこぐのをやめ、自転車の動きに任せる。

キラッ!

空のオレンジの矢が目に飛び込んできて

そっと自転車のブレーキを引いた。

夕焼けが綺麗で・・・・・・・ 淋しいよ。

ううん・・・・君に会いたくて 淋しいよ。


「はぁ・・・。」

「ため息なんてつくと幸せが逃げるんだぞ!」

驚いて振り向いた。

「え?・・・・・なんで?」

「よぉ!」

「ま・・・・・・魔法みたい。」

君の笑顔がオレンジに染まる。


ぼやけたオレンジの笑顔が近づいた。


『ぎゅぅっ!』


君の腕の中はあったかいね。

「おかえり。」

「たっ・・ただいま。・・・・・なんでここにいるの?」

「・・・・・・おまえに会いたかったから。」

「え?」

「な、なんでもね~よ!」



空のオレンジがやがて青く変わる。

そこはマジックアワーの始まり。

魔法の時間。



<夕暮れの魔法  完>