君がいないと・・・ | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

何気ない日常のこんな甘いストーリー。



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「じゃあ、行ってきます。」

会社の買い出し! ちょっと近所のデパートまで。

郵便局も寄ってから行かなくちゃ。

私は外に出た。

青空が綺麗。

あぁ、もうすぐ夏だな。








『ウーウーウー』

やけにサイレンの音が騒がしい。

事務所の片隅、打ち合わせの原稿を読みながら思っていた。

『バタバタバタ』

事務所にかけこんできたスタッフが騒いでる。

「○○デパートで火事があったみたい。」

「え?近いよね?」

は?○○デパートだ?

そりゃ大変だな。

窓の外を眺める。

野次馬の人がぽつぽつと出てきた。

「ねぇ?---ちゃんってさ ○○デパートに買い出し行かなかったっけ?」

事務所の端からそんな声が聞こえてきた。

なんだって?

オレは慌ててアイツの席を見る。

いない・・・。

マジかよ?

そうおもうやいなや

手が勝手に携帯を開いていた。

『プップップップ』

じれったい音がしてから呼び出し音が鳴る。

『プルプルプル・・・・・』

1回・・・2回・・・3回・・・。

出ない。

『ピッ』

通話終了ボタンを押して携帯を握りしめた。

事務所の中がざわざわしてる。

「携帯かけてみれば?」

「…でないよ?」

「まさか・・・。」

あちこちから聞こえる声。

オレは思わず駆け出した。

バカヤロー、なんでこんな時に買い物なんて行ったんだよ。

誰だよ?アイツにそんなの頼んだのは?

色んな不安がココロをよぎる。

再び携帯を鳴らす。

頼む、出てくれよ。

呼び出し音が続く。

だけど・・・一向に出る気配がない。


事務所を飛び出し、外の人ごみへと交る。

遠くで赤いサイレンが光るのが見えた。

おい・・・、まさか、大丈夫だよな?

ココロがざわつき

行きかう人を避けてオレは走り出した。


ふと途切れた人の波。

あ・・・・・・。

目に飛び込んできたのはいつもと同じアイツの顔。

慌てるオレに気が付いたのか

にこっと笑って手を振った。

「どうしたの?慌てて・・・。」

そんなきょとんとしたオマエを確認した途端。

良かった!!!!!!!!

ココロの声が頭の中を響き渡った。

近づくオマエを思い切り抱きしめた。

「ちょ・・・・。」

「・・・良かった。無事で。」

「え?」

「○○デパートが火事だって聞いて。

オマエが買い出しに行ったって・・・。それで・・・。」

思っていたことがあふれ出す。

でも、オマエは今、オレのこの腕の中にいるんだ。

ぬくもりが伝わる。

さらにぎゅっと抱きしめた。

「は、恥ずかしいよ・・・。ねぇ・・。」

「・・・ばか。心配させんじゃねーよ。」

「・・・ごめんね。」

「・・・・・いいよ。」

オレ、気づいたよ。

オマエがいなくなったらどんなに辛いかって。

オマエのことがこんなに好きだって。




人の波が途切れた向こうから

慌てた顔をした君が走ってきた。

どうしたの?そんなに慌てて?

不思議に見ていたら 目があった。

思わず手を振る。

君の顔がパッと明るくなった。

どうしたの?って聞いてる瞬間、

君が私に飛びついてきた。

え? ちょっと、どうしたの? 急に・・・・。

・・・・・

そうだったんだ。

心配してくれたんだね。

私、郵便局で時間かかちゃって

買い出しに行こうと思ったら

火事だ~って騒ぎにあっていけなかったんだよ。

だから別の店に行って来たの。


君が 凄く心配してくれたこと

このぬくもりで・・・・よくわかった。

ありがとう。・・・・・・やっぱり 君のことが大好き。




< 君がいないと・・・ 完 >