逢いたかった | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

ときメモGS文化祭も終わってしまって ぽかんと淋しいココロをぎゅっとしてくれる

そんな想像シーンが欲しくて な~~~んとなく ショートを書いてみた。

相手はハリーでもよし・・・ 未来のダーリンでもよし。



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海沿いの道。

今日もいつもの一日が終わる。

傾きかけた夕日に お疲れ様とココロでつぶやく。

少しだけ日が伸びたんだな。

時計を見て空の明るさを感じる。

道を走りすぎるランナーとすれ違い、そのままふと立ち止まった。

ゆっくりと打ち寄せる波はとても穏やかで

終わっていく今日をそっと包み込んでいるみたいだ。


いつもと同じ。

いつもの時間。

君はどこにいるんだろう?

少しトーンを落とした青空に飛行機雲がゆっくりと描かれていく。

海岸通りに店から懐かしいメロディが聞こえる。

あんな歌もあったよね。

そんな時代にふと心を馳せた。

オレンジの空が色を増すたびに

少しずつココロがきゅんとなるのはなぜだろう。

大丈夫、また明日は 笑っていけるから。

何度も夕日に語りかける。

遠くの道を歩くカップルに君と自分を重ねてみたり。

いつかは、あんな風に一緒に歩けるよね?


『コトン』

ペットボトルを取り出そうとして道に落とした。

いびつに転がる。

「あ・・・。」

慌てて拾おうとその行き先を追いかけて息をのんだ。

落としたペットボトルを拾い上げる手。

「え・・・・。なんで?」

「偶然!」

おどけて笑う顔。

いつもの少年の笑顔。

ペットボトルを差し出された。

「あ、ありがとう。」

「んだよ?ぽかんとしちゃって。」

「あ、だって・・・、まさかこんなところで会うなんて。」

「はは。オレも驚いた。」

笑う笑顔が夕日に染められた。

そんな君に逢いたかった・・・・・・・。

あまりの偶然に涙が出そうになって

慌てて夕日に目を向けた。

「・・・・・・・・・・・・・・・た。」

後ろを行きかう車の音に君の言葉がかき消された。

「え?何?」

「・・・・いや。」

振り向くとちょっと照れくさそうな君がいる。

少し強い風が私の髪を揺らした。

砂ぼこりに一瞬目を閉じた。


次の瞬間。

『ぎゅっ』

「え・・・・・・。」

「・・・ほんとは オマエに 逢いたかったんだ。」





二人がこうして 出会うこと、

きっと ずっとずっと前から決まっていたんだよね。

君の腕のぬくもり

ずっと前から感じてた気がする。


<逢いたかった 完>