会いたかった<AKB48>(歌の歌詞ストーリー) | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

今ぐらいの時期にぴったりのお話。

久しぶりに読んだら、あぁ青春だにひひって笑っちゃいました音譜

いいねぇ~ こんな高校生になりたいわぁ。


GWに見てきた「ずっと前から好きでした」の映画とシンクロしてるかも?

高校生って、こんなだったかなぁ?なんて思っちゃうよべーっだ!



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2011年6月29日制作




またしても・・・ この題名でぴんときました? これじゃこないか?

AKB48の「会いたかった」 歌詞を読んでたら 画像が目の前に広がって・・・。

ああ、またしても書いてしまいました(^^;)

決して 私、AKBのファンではないんですけど。

まぁ、秋元康さんの書く詞の世界のファンかな~~~


ちょっぴり ドキドキ 「会いたかった!」  片思いのカレへの思いにやっときづいた

それは・・GS2親友モードの後に主人公みたいでもあるかな^^

今回はゲームの中のように 男の子から告白には来ません。

自分から 飛んでっちゃえ~ 「会いたかった」って(^^)



では どうぞ


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風が気持ちいい。

夏の匂いがする。

海沿いの坂道を自転車を漕ぐ。

遠く、水平線に定期船が霞んでいく。

空には、小さな入道雲が出来ている。

まぶしい。

こんなに空が青かったって、私気づいてたかな?

ずっと空なんて見てなかった気がする。

気が付けば、もうすぐ夏。

私、まわり道しちゃったよな。



梅雨が始まる少し前だった。

帰り道。下駄箱。

「おっす!」

「あ、コウ、 今帰り?」

「ああ。」

「あ、あのさ。 これから・・・・。」

「あ、コウく~ん!」

私とコウが話す間に割ってはいる女の子。

振り向くと、隣のクラスの女の子だった。

「は?なんだよ?」

コウは少し、かったるそうに答える。

「聞いて、聞いて。 こないだ言ってたあのCD見つけたんだ!」

「え?マジか?」

途端、コウの顔色が明るくなる。

「そうそう、これから時間ある?案内するよ。」

「これから?」

コウが一瞬、私の顔を見る。

「・・・行って来れば?」

私はちょっとぶっきらぼうに答えた。

「オマエ、なんか言いかけてなかった?」

「べつに。」

「なんか用事あったんじゃないのか?」

「べつに!」

そのやりとりを聞いていた隣のクラスの女の子。

「用事ないみたいやん。 じゃあ、行こうよ、コウくん。」

コウの腕を掴みひっぱる。

「わ、わかったよ。 ひ、ひっぱるな!」

コウはその子の腕を振り払い、靴を履き替えて歩き出した。

何かいいたげにこっちを見ていたけれど。


あの子が噂の女の子か。

コウに思いを寄せる子が隣のクラスにいるってのは聞いていた。

結構、積極的だとか。

べつに、私には関係のないことだけど。

コウとは、確かによく話もするし、気も合う友達だ。

たまに出かけたりすることもあったけど、それ以上は何もない。

お互い、好きなやつが出来たら応援し合おうなんて笑って話したりもした。

恋の相談が出来る。親友みたいなものだ。


私も靴を履き替え、外に出た。

遠く、前をコウと彼女が歩いているのが見える。

「あれ?コウくんって彼女いたっけ?」

そんな声が後ろから聞こえてきた。

クラスの女子だ。

「え?いるの?」

「だって、ほら、前。」

「本当だ。お似合いじゃない?」

そんな会話をききながら、前を歩く二人をみる。

いつか、コウに彼女ができたら、こうして二人が帰る姿をよく見るんだろうな。

現実的になってきたその光景。

そんなことをふと考えたら、胸の奥の方がズキンと痛んだ。

なんだろう。この気持ち。



梅雨が始まり、じとじとと湿った日々が続く。

期末試験が始まり、この試験が終わると、少し長めの休みが来る。

それも終われば、夏休みだ。

「コウくん 告白されたんだって。」

「まじに?」

「例の隣のクラスの女子みたいだよ。」

クラスの女子の会話。

え?

そうなの?

「で、つき合ったの?」

「なんか、テスト終わったら返事するみたい。」

「隣のクラスの友達が彼女と仲良しで聞いたから間違いないよ。」

「そうなんだ~。コウくん結構かっこよかったのに。残念~!」

頭をハンマーで殴られたようだった。

そんなの、わかってたはず。

しばらく前から気づいたはずだったのに。

いつか、コウにも彼女が出来て、二人で仲良く帰っていくだろうってことなんて。

「オッス!」

その声にビクリとする。

「なに、驚いてんだよ」

振り向くと、コウはいつもと変わらない笑顔で立っていた。

「コ・・コウ。」

「なんだよ、オマエ、鳩が豆鉄砲でもくらったような顔してっぞ!」

クスクス笑うコウは普段となんら変わりないのに。

ああ、その笑顔はもうすぐ、彼女のものになってしまうのか。

「オマエさ、期末テスト終わったら、ショッピングモールつきあわね~か?」

「え?」

「新作のアイス! オマエとこの前雑誌で見てたやつが発売すんだよ!」

「アイス?」

「発売したら食べようって約束してただろ?な、行こうぜ!」

期末テスト終わったら・・・って コウは彼女に返事するんじゃ・・・。

さっき聞いたクラスメイトの話が頭の中をグルグル巡る。

「なんで?」

「はぁ?」

「なんで私誘ってんの?」

「なんでって、そりゃ、オマエと約束・・・。」

「ばかじゃないの?」

「は? バカ?」

「隣の彼女に告られたんでしょ?」

「な! なんで!」

コウが動揺してる。やっぱり本当だったんだ。

「だったら、彼女誘うべきじゃないの?」

「は?だ、だってオマエと約束してたから。」

「約束?そんなのしましたっけ?」

あ、バカ。心にも思ってないことを口走ってる。

そう、さっきから私、凄くイライラしている。

なんだろう?この気持ち。

大切な友達のコウに彼女が出来るんだから、

お祝いしてあげなくちゃいけないのに。

おめでとうって言わなきゃいけないのに。

「なんなんだよ、その言い方。あーもういい!さそわねーよ。」

「べつに、どうぞ。」

ふくれづらでコウを見る。

一瞬、コウの顔が陰る。

「・・・おまえ、どうも思わないのか?」

「え?」

「オレがその・・・。」

「なに?」

「・・・なんでもねーよ。 じゃあな。」

そのまま、コウは行ってしまった。


それからしばらく試験の日々が続いた。

あれから、コウと一言も口をきいていない。

心なしか、さけられてる気がする。

おはようの挨拶も、またねの挨拶も交わさないままの日々。

このまま、私達離れていくのかな?

試験が終われば、コウは彼女に返事をする。

それがYESならば、これからコウの横にならんであるくのは彼女だけだ。

私の入る余地はない。

一緒に笑った日々も、ふざけながら帰って放課後も、

これからはずっと一人。

校門で待っている姿も、追いかけてくるあの笑顔ももうないんだ。

そんなことを思うと胸が苦しくて苦しくて

知らないうちに涙が溢れてくる。

バカだ。

私は本当にバカだ。

好き。この二文字を見つけられずに、

何 遠回りしてたんだろう?

コウはいつだって目の前にいたのに!

自分の気持ちに素直になろう。

正直になろう。

好き。コウが好きだ。

コウのことが大切なんだ。

やっと気づいた。

急がなきゃ、間に合わなくなる。

明日、試験が終われば、コウが返事をしてしまう。

もしかしたら、もう答えは決まっていて、

私の入る余地なんてないかも知れない。

だけど、伝えたい。伝えなきゃ。

自分の本当の気持ち。



「コウ、知らない?」

「コウくん? もう帰ったよ。」

教室に残るクラスメイトに聞き回る。

しまった。帰っちゃったか。

私は自転車に飛び乗ると、坂道を駆け上がった。



風が私のシャツを膨らます。

全力でペダルを漕いでいるのに、なかなか進まない気がする。

汗がどんどん溢れてくる。

額を流れる汗。ぬぐう時間も惜しい。

早く。早く、コウに会いたい。


なんて言っていいか、分からない。

うまい言葉が見つからない。

だけど、今はコウに会いたい。

ただ、好きの二文字だけを伝えたい。


坂道をあがると、緩いカーブが見えてきた。

コウ、お願い。そこにいて。

カーブの先がだんだんみえてくる。

その先に、見慣れた後ろ姿を見つけた!


「コウ!」

思い切り大きな声で叫ぶ。

前を歩くコウが振り返り、立ち止まった。


「なんだよ。オマエ。」

「や・・・やっと、追いついた。」


『キキー』

息を切らして自転車を止める。


「どうした?」

「・・あいたかった・・・」

「え?」

「会いたかった!!!!!!」

そう叫んだ瞬間、 涙が出てきた。

だめだ。 止まりそうもない。

コウの顔見た途端。

会いたかった・・・感情があふれ出す。

「な!なんだよ! どうしたんだよ。」

驚くコウ。動揺してる。

「・・・ごめん。どうしても言いたいことがあって・・。」

「な、泣くなよ。」

「な、泣いてないよ。 汗だよ。自転車漕いでたから。」

もう汗だか、涙だか、区別がつかない。

「なんだよ。それ。」

コウは途端、優しい笑顔になる。

その笑顔を見たら、やっぱり・・・。

「好き。」

「は?」

「コウが好き。・・・ずっとずっと好きだった。」

「オマエ・・・。」

「だから、会いたかった!」

涙がまた溢れだした。



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会いたかった 会いたかった 会いたかった yes

会いたかった 会いたかった 会いたかった yes


君に


会いたかった AKB48 歌詞(うたまっぷより)



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夏へ続く道を初夏の風が吹き渡る。

自転車のペダルが『コトン』と揺れた。

コウのカバンがその下に落ちていく。




夏の太陽は二人の影を一つにした。





「・・・・・オレも ずっと 好きだった。」









<会いたかった(歌の歌詞ストーリー) 完>