今ぐらいの時期にぴったりのお話。
久しぶりに読んだら、あぁ青春だって笑っちゃいました
いいねぇ~ こんな高校生になりたいわぁ。
GWに見てきた「ずっと前から好きでした」の映画とシンクロしてるかも?
高校生って、こんなだったかなぁ?なんて思っちゃうよ
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2011年6月29日制作
またしても・・・ この題名でぴんときました? これじゃこないか?
AKB48の「会いたかった」 歌詞を読んでたら 画像が目の前に広がって・・・。
ああ、またしても書いてしまいました(^^;)
決して 私、AKBのファンではないんですけど。
まぁ、秋元康さんの書く詞の世界のファンかな~~~
ちょっぴり ドキドキ 「会いたかった!」 片思いのカレへの思いにやっときづいた
それは・・GS2親友モードの後に主人公みたいでもあるかな^^
今回はゲームの中のように 男の子から告白には来ません。
自分から 飛んでっちゃえ~ 「会いたかった」って(^^)
では どうぞ
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風が気持ちいい。
夏の匂いがする。
海沿いの坂道を自転車を漕ぐ。
遠く、水平線に定期船が霞んでいく。
空には、小さな入道雲が出来ている。
まぶしい。
こんなに空が青かったって、私気づいてたかな?
ずっと空なんて見てなかった気がする。
気が付けば、もうすぐ夏。
私、まわり道しちゃったよな。
梅雨が始まる少し前だった。
帰り道。下駄箱。
「おっす!」
「あ、コウ、 今帰り?」
「ああ。」
「あ、あのさ。 これから・・・・。」
「あ、コウく~ん!」
私とコウが話す間に割ってはいる女の子。
振り向くと、隣のクラスの女の子だった。
「は?なんだよ?」
コウは少し、かったるそうに答える。
「聞いて、聞いて。 こないだ言ってたあのCD見つけたんだ!」
「え?マジか?」
途端、コウの顔色が明るくなる。
「そうそう、これから時間ある?案内するよ。」
「これから?」
コウが一瞬、私の顔を見る。
「・・・行って来れば?」
私はちょっとぶっきらぼうに答えた。
「オマエ、なんか言いかけてなかった?」
「べつに。」
「なんか用事あったんじゃないのか?」
「べつに!」
そのやりとりを聞いていた隣のクラスの女の子。
「用事ないみたいやん。 じゃあ、行こうよ、コウくん。」
コウの腕を掴みひっぱる。
「わ、わかったよ。 ひ、ひっぱるな!」
コウはその子の腕を振り払い、靴を履き替えて歩き出した。
何かいいたげにこっちを見ていたけれど。
あの子が噂の女の子か。
コウに思いを寄せる子が隣のクラスにいるってのは聞いていた。
結構、積極的だとか。
べつに、私には関係のないことだけど。
コウとは、確かによく話もするし、気も合う友達だ。
たまに出かけたりすることもあったけど、それ以上は何もない。
お互い、好きなやつが出来たら応援し合おうなんて笑って話したりもした。
恋の相談が出来る。親友みたいなものだ。
私も靴を履き替え、外に出た。
遠く、前をコウと彼女が歩いているのが見える。
「あれ?コウくんって彼女いたっけ?」
そんな声が後ろから聞こえてきた。
クラスの女子だ。
「え?いるの?」
「だって、ほら、前。」
「本当だ。お似合いじゃない?」
そんな会話をききながら、前を歩く二人をみる。
いつか、コウに彼女ができたら、こうして二人が帰る姿をよく見るんだろうな。
現実的になってきたその光景。
そんなことをふと考えたら、胸の奥の方がズキンと痛んだ。
なんだろう。この気持ち。
梅雨が始まり、じとじとと湿った日々が続く。
期末試験が始まり、この試験が終わると、少し長めの休みが来る。
それも終われば、夏休みだ。
「コウくん 告白されたんだって。」
「まじに?」
「例の隣のクラスの女子みたいだよ。」
クラスの女子の会話。
え?
そうなの?
「で、つき合ったの?」
「なんか、テスト終わったら返事するみたい。」
「隣のクラスの友達が彼女と仲良しで聞いたから間違いないよ。」
「そうなんだ~。コウくん結構かっこよかったのに。残念~!」
頭をハンマーで殴られたようだった。
そんなの、わかってたはず。
しばらく前から気づいたはずだったのに。
いつか、コウにも彼女が出来て、二人で仲良く帰っていくだろうってことなんて。
「オッス!」
その声にビクリとする。
「なに、驚いてんだよ」
振り向くと、コウはいつもと変わらない笑顔で立っていた。
「コ・・コウ。」
「なんだよ、オマエ、鳩が豆鉄砲でもくらったような顔してっぞ!」
クスクス笑うコウは普段となんら変わりないのに。
ああ、その笑顔はもうすぐ、彼女のものになってしまうのか。
「オマエさ、期末テスト終わったら、ショッピングモールつきあわね~か?」
「え?」
「新作のアイス! オマエとこの前雑誌で見てたやつが発売すんだよ!」
「アイス?」
「発売したら食べようって約束してただろ?な、行こうぜ!」
期末テスト終わったら・・・って コウは彼女に返事するんじゃ・・・。
さっき聞いたクラスメイトの話が頭の中をグルグル巡る。
「なんで?」
「はぁ?」
「なんで私誘ってんの?」
「なんでって、そりゃ、オマエと約束・・・。」
「ばかじゃないの?」
「は? バカ?」
「隣の彼女に告られたんでしょ?」
「な! なんで!」
コウが動揺してる。やっぱり本当だったんだ。
「だったら、彼女誘うべきじゃないの?」
「は?だ、だってオマエと約束してたから。」
「約束?そんなのしましたっけ?」
あ、バカ。心にも思ってないことを口走ってる。
そう、さっきから私、凄くイライラしている。
なんだろう?この気持ち。
大切な友達のコウに彼女が出来るんだから、
お祝いしてあげなくちゃいけないのに。
おめでとうって言わなきゃいけないのに。
「なんなんだよ、その言い方。あーもういい!さそわねーよ。」
「べつに、どうぞ。」
ふくれづらでコウを見る。
一瞬、コウの顔が陰る。
「・・・おまえ、どうも思わないのか?」
「え?」
「オレがその・・・。」
「なに?」
「・・・なんでもねーよ。 じゃあな。」
そのまま、コウは行ってしまった。
それからしばらく試験の日々が続いた。
あれから、コウと一言も口をきいていない。
心なしか、さけられてる気がする。
おはようの挨拶も、またねの挨拶も交わさないままの日々。
このまま、私達離れていくのかな?
試験が終われば、コウは彼女に返事をする。
それがYESならば、これからコウの横にならんであるくのは彼女だけだ。
私の入る余地はない。
一緒に笑った日々も、ふざけながら帰って放課後も、
これからはずっと一人。
校門で待っている姿も、追いかけてくるあの笑顔ももうないんだ。
そんなことを思うと胸が苦しくて苦しくて
知らないうちに涙が溢れてくる。
バカだ。
私は本当にバカだ。
好き。この二文字を見つけられずに、
何 遠回りしてたんだろう?
コウはいつだって目の前にいたのに!
自分の気持ちに素直になろう。
正直になろう。
好き。コウが好きだ。
コウのことが大切なんだ。
やっと気づいた。
急がなきゃ、間に合わなくなる。
明日、試験が終われば、コウが返事をしてしまう。
もしかしたら、もう答えは決まっていて、
私の入る余地なんてないかも知れない。
だけど、伝えたい。伝えなきゃ。
自分の本当の気持ち。
「コウ、知らない?」
「コウくん? もう帰ったよ。」
教室に残るクラスメイトに聞き回る。
しまった。帰っちゃったか。
私は自転車に飛び乗ると、坂道を駆け上がった。
風が私のシャツを膨らます。
全力でペダルを漕いでいるのに、なかなか進まない気がする。
汗がどんどん溢れてくる。
額を流れる汗。ぬぐう時間も惜しい。
早く。早く、コウに会いたい。
なんて言っていいか、分からない。
うまい言葉が見つからない。
だけど、今はコウに会いたい。
ただ、好きの二文字だけを伝えたい。
坂道をあがると、緩いカーブが見えてきた。
コウ、お願い。そこにいて。
カーブの先がだんだんみえてくる。
その先に、見慣れた後ろ姿を見つけた!
「コウ!」
思い切り大きな声で叫ぶ。
前を歩くコウが振り返り、立ち止まった。
「なんだよ。オマエ。」
「や・・・やっと、追いついた。」
『キキー』
息を切らして自転車を止める。
「どうした?」
「・・あいたかった・・・」
「え?」
「会いたかった!!!!!!」
そう叫んだ瞬間、 涙が出てきた。
だめだ。 止まりそうもない。
コウの顔見た途端。
会いたかった・・・感情があふれ出す。
「な!なんだよ! どうしたんだよ。」
驚くコウ。動揺してる。
「・・・ごめん。どうしても言いたいことがあって・・。」
「な、泣くなよ。」
「な、泣いてないよ。 汗だよ。自転車漕いでたから。」
もう汗だか、涙だか、区別がつかない。
「なんだよ。それ。」
コウは途端、優しい笑顔になる。
その笑顔を見たら、やっぱり・・・。
「好き。」
「は?」
「コウが好き。・・・ずっとずっと好きだった。」
「オマエ・・・。」
「だから、会いたかった!」
涙がまた溢れだした。
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会いたかった 会いたかった 会いたかった yes
会いたかった 会いたかった 会いたかった yes
君に
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夏へ続く道を初夏の風が吹き渡る。
自転車のペダルが『コトン』と揺れた。
コウのカバンがその下に落ちていく。
夏の太陽は二人の影を一つにした。
「・・・・・オレも ずっと 好きだった。」
<会いたかった(歌の歌詞ストーリー) 完>