勃起障害治療薬タダラフィルが前立腺肥大症の適応取得、米FDA


米食品医薬品局(FDA)は10月6日、勃起障害(ED)治療薬のタダラフィル(商品名シアリス)の前立腺肥大症(BPH)に対する適応を追加承認したと発表しました(同日リリース)。

同薬は米国で2003年から販売されており、日本でもBPHに対し、適応外使用が行われることがあるほか、同疾患に関する臨床試験が進められています。


硝酸薬、α1遮断薬との併用は避ける


今回の適応追加の根拠とされたのは2件のプラセボ対照ランダム化比較試験です。1日1回5mgのタダラフィル投与により、前立腺症状スコア(IPSS)の有意な改善が確認されました。


同薬をはじめとするホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬は、サイクリックGMP(cGMP)分解抑制を介した平滑筋弛緩作用が局所の血流増加をもたらします。そのため、同クラスの薬剤はEDだけでなく、肺高血圧症治療にも臨床応用されており、BPHにおいても同様の機序が新たな治療標的として注目を集めています。


なお、同適応に対してもED治療薬として使用する場合と同様、硝酸薬服用中の患者には禁忌であるほか、BPH治療に多く用いられるα1遮断薬との併用による効果は十分に検討されておらず、過度の降圧のリスクが考えられることから行わないよう勧告されています。なお、詳細は下記に記述します。


FDAによると、BPH治療薬として承認された薬剤は同薬で9剤目です。これまで承認されているのは、フィナステリド、デュタステリド、デュタステリドとタムスロシンの合剤、テラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン、alfuzosin、シロドシンの8剤です。  


         Medical Tribune Pro [2011年10月7日]より


タダラフィル(シアリス錠)について


【働き】

男性の勃起不全あるいは勃起障害(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない)のことを、ED(Erectile Dysfunction)と呼ぶようになりました。このお薬タダラフィルは、勃起を助けるED治療薬です。陰茎の海綿体平滑筋の緊張をゆるめ血流をよくすることで、十分な勃起に導きます


心理的要因による“心因性”のもの、神経や血管など体に問題のある“器質性”のもの、あるいは心因性と器質性の“混合型”のいずれにも有効です。服用後まもなく、性的刺激が加わることで効果が発現します。局所に作用しますので、性欲を亢進させる働きはありません。


【薬理】

陰茎の勃起を止める酵素PDE5(ホスホジエステラーゼタイプ5)を阻害します。この作用から、PDE5阻害薬と呼ばれています。


【臨床試験】

この薬を含め 同類薬による多くの臨床試験が国内外で行われています。症状にもよりますが、おおよそ70~90%くらいの割合で有効とされます。

特徴国内3番目のED治療薬(PDE5阻害薬)です。シルデナフィル(バイアグラ)と同系統です。

他の2剤に比べ半減期が長く、服用後36時間まで勃起機能改善効果が認められています。また、服用に際し食事の影響を受けません。これらから、飲む時間にそれほどこだわらず、長時間にわたり安定した効果が期待できます。


【注意】

心臓病など持病のある人は、医師に報告しておきましょう。

心臓や血圧の薬など服用中の薬を、必ず医師に伝えてください。


【注意する人】

重い心臓病や脳卒中などがあり、性行為そのものが危険と判断される場合は使用できません。極度の低血圧やコントロール不充分な高血圧の人も使用できないことがあります。このような場合、性行為自体が心臓や脳血管に負担になるうえ、この薬の心血管系に及ぼす影響でさらに危険性が増大するためです。

※適さないケース:重い心臓病や脳卒中、ひどい低血圧、管理されていない高血圧、重い肝臓病、目の網膜の病気(網膜色素変性症)


【飲み合わせ・食べ合わせ】

狭心症や心不全の治療に使う硝酸薬、いわゆる「ニトロ」と呼ばれる薬と併用してはいけません。併用により急激に血圧が下がることがあり、非常に危険です硝酸薬には飲み薬のほか、貼り薬(テープ)や軟膏、口内スプレー、注射剤などさまざまなタイプがありますので注意が必要です。

そのほか、α遮断薬に分類される排尿障害治療薬や降圧薬を飲んでいる場合は、血圧の変動に注意するなど慎重に用いる必要があります


※飲み合わせの悪い薬:ニトログリセリン(ニトロペン、その他)、硝酸イソソルビド(ニトロール、その他)、ニコランジル(シグマート)、ニプラジロール(ハイパジールコーワ)


飲み合わせに注意:Α遮断薬(ハルナール等)、イトラコナゾール(イトリゾール)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、リファンピシン(リファジン)、降圧薬、グレープフルーツジュースなど。


【使用法】

1時間前に飲んでください。食事の影響はありませんので、食後でも空腹時でもかまいません。効果はかなり長く続きます(36時間)。1日1回までとし、服用間隔を24時間以上あけるようにしましょう。

もし、勃起が4時間以上続く場合は、すぐに受診してください

通常、成人は1日1回タダラフィルとして10mgを性行為の約1時間前に経口服用する。10mgの服用で十分な効果が得られず、忍容性が良好と判断された器質性又は混合型勃起不全患者に対しては、20mgに増量することができる。軽度又は中等度の肝障害のある患者では10mgを超えないこと。

中等度又は重度の腎障害のある患者では、5mgから開始し、服用間隔は24時間以上とすること。なお、中等度の腎障害のある患者では最高用量は10mgを超えないこととし、10mgを服用する場合には服用間隔を48時間以上とすること。重度の腎障害のある患者では5mgを超えないこと。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。


【食生活】

服用後、一時的に視野がかすんだり、物の色が異常に見えることがあります。また、めまいを起こすこともありますので、車の運転や高所での危険作業には十分注意してください。


【備考】

飲む飲まない、あるいは使用頻度については、その人のライフスタイルや価値観によるところです。また、使用にあたっては自分中心に考えるのではなく、パートナーとの2人の問題としてとらえることが大切です。

処方してもらうには、医師の診察が必要です。ただし、保険はききません。自由診療扱いとなります。


【副作用】

比較的多いのは、頭痛とほてりです。これらは血管を広げる作用によるものなので、時間とともに軽くなり自然に治ると思います。とくに心配ないでしょう。国内の治験データでは、頭痛を起こした人の割合は約13%、ほてり・潮紅が約9%でした。


その他、一過性の視覚異常が現れることがあります。「まぶしい」「青いめがねをしているよう」「青と緑の区別がつかない」といった異常な見え方がするようです。服用後しばらくの間、車の運転には十分注意してください。


重い副作用はまずありませんが、海外で「持続勃起症(プリアピズム)」がごく少数例ながら発症しているようです。また、この薬によるものかはっきりしませんが、著しい視力の低下をともなう非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現も報告されています。念のため注意してください。


【重い副作用】

めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください。

・硝酸薬との併用による急激な血圧低下

・持続勃起症(プリアピズム):4時間以上痛みを伴う勃起が続く(すぐ受診)、陰茎組織損傷、勃起機能の喪失

・重い過敏症:じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい(ゼーゼー)

・重い皮膚症状:高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内のただれ、のどが痛い、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血


【その他】

頭痛、ほてり、潮紅、鼻づまり、めまい、血圧の変動、動悸、頻脈、視覚異常、彩視症、光視症..まぶしい、かすむ、青くみえる