どんな診断・検査


問  診


いつ、どのような症状が、どのようにして起こり、どのような経過をとったかが大切です。

医師は、まず意識の程度、呼吸、脈拍、血圧、体温などの全身状態の把握と、神経学的な症状を見ます。


X線CT検査

レントゲンを利用して脳の状態を何の苦痛も与えずに調べることができる検査です

脳出血か脳梗塞かの判別や、病巣の位置や大きさを知ることができます。


MRI検査

磁気共鳴画像を得る検査で、強い電磁石の中に入るため、磁場の影響を受け易い、心臓ペースメーカーや脳動脈クリップ、人工関節などが体に入っている人は受けられません。

MRI検査では、CTでは分かり難い脳幹部や小脳の病変、発症後まもない脳梗塞も判別し易い場合があります。また、MRAと呼ばれる特殊な撮影法により、脳血管の状態をみることもできます。


脳血管撮影

脳動脈の詰まっている位置や、詰まり方の程度などを詳しく調べる検査です。

足の付け根からカテーテルと呼ばれる細い管を脳の血管まで挿入し、造影剤と言う薬を流しながらX線撮影をすることにより、脳動脈の状態を詳しく知ることができ、手術やその後の治療方針を決める上で必要な検査です。


この他、血管の血流量を調べる「超音波ドップラー血流検査」、脳組織の血流状態を調べる「脳血流SPECT検査」などがあります。


どんな治療法

脳梗塞はいったん起こってしまって神経細胞が死んでしまうと、その部分の脳の働きを元に戻すことはできません。脳細胞が死なないうちに血液の流れをもとに戻すことができればいいのですが、それが可能な時間は発生から3時間から、せいぜい6時間以内と考えられています。

このように発症から数時間以内に治療が開始できる例は非常に少ないのが現状です。

一般的には脳梗塞の治療は内科的治療が主体です。

脳梗塞の急性期には、脳が腫れる脳浮腫が起き、頭蓋骨という限られた容積の中で脳の体積が増すため、脳の圧力が増し、浮腫が強い場合は脳幹部が圧迫されて意識障害や呼吸停止を起こして大事に至る場合もあります。

浮腫を軽減するため薬剤(グリセオール等)が投与され、血液の粘度を下げ、血管を広げるために十分な水分を与えます。また血栓を溶かす薬や、これ以上血栓ができないような薬も使われます。

急性期が過ぎてからは、血栓を予防する抗血小板薬であるアスピリン(バファリン)やチクロピジン(パナルジン)を飲み続けることになります。

脳塞栓の場合は予防のために心臓で血液が固まらないようにする抗凝血薬であるワーファリンが使われます。


もし発症後3-4時間以内に診断ができ、まだ脳浮腫が起こっていなければ血栓溶解療法が行われる場合があります。これは血管撮影の時に動脈から薬やカテーテルで血栓を溶解したり、破壊したりする場合と、静脈注射で薬を投与する場合があります。

我が国では使用できる薬はウロキナーゼですが、米国では心筋梗塞に使われている組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)が使用されます。

この場合血栓が溶けて症状が改善する例もありますが、逆に溶けた部分の脳から出血して症状が悪化する場合もあります。


外科的療法には、一時血行再建術として、脳動脈と頭蓋外の動脈とをつなぐバイパス手術が行われましたが、現在ではその手術の対象となる例は非常に少ないことがわかり、一般的ではありません。

一方、一過性脳虚血発作や軽い脳梗塞例で内頚動脈に動脈硬化による狭窄がある例では内頚動脈内膜剥離術といって、内頚動脈を切開し動脈硬化部分を取り除いて内頚動脈の血管径を広げる手術が行われます。

国際的な研究で、70歳以下で内頚動脈の径が60%以上の狭窄がある例では、この手術が将来の脳梗塞予防に有効であることが解り、現在確立した方法となっています。 


一部施設ではこのような例にカテーテルを入れ、風船のようなものを膨らませて血管径を広げる方法も行われています。


脳梗塞の後遺症として、半身が麻痺する片麻痺、失語などの機能障害があります。

この機能障害の治療として行うのがリハビリテーションです。

今迄述べたように脳梗塞に陥った脳組織の機能は戻りません。しかしリハビリテーションを行うことで、

他の部分の機能が失われた機能を補うように働き出します。リハビリテーションは脳卒中後の治療にもっとも大切なものです。

発症早期からリハビリテーションを行うことで、寝たきりの率を減らすことができます。