戸川純&ヤプーズ・ライヴ 1983年11月27日 | ジョン・コルトレーン John Coltrane

戸川純&ヤプーズ・ライヴ 1983年11月27日


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2008年コルトレーン聴き初めの行方(5)

「2008年の初コルトレーン」、その意図から大きく逸れ、どういうわけか、約四半世紀前に録音されたカセット・テープを次々聴く羽目に。今回は発掘された最後のテープです。

↓これまでの記事
第1回: ルイ・アームストロング、黄金(おうごん)の糞(うんこ)
第2回: CBSソニーの『肖像シリーズ』
第3回: アルバート・アイラーのカセット・テープ
第4回: デレク・ベイリーのカセット・テープ


そういやこんなのもあったけなぁ。ルイ・アームストロング、アルバート・アイラー、デレク・ベイリーなんかを盛んに聴いていた頃、一緒によく聴いていた音楽。もしかしたらこれが一番のお宝かもしれない。

LPレコードではありません。ライヴの盗み録り。その類のテープをコレクションしている方々がいるわけですね。互いに売買したり、交換したり。あるきっかけでそんなコレクターの一人にダビングしてもらったのが最後のテープになります。

音源は1983年11月27日、渋谷パルコ、スペース・パート3で行なわれた戸川純とヤプーズのライヴ。1982年5月から始まったライヴ・シリーズ、「モダーン・コレクション」、略して「モダコレ」の4回目、「モダーン・コレクション Vo.4」に出演した時のもの。

1.玉姫様
2.諦念プシガンガ*
(以上演奏はPINK[ヤプーズ遅刻のため])
(以下カラオケ以外の演奏はヤプーズ)
3.電車でGO
4.レーダーマン*
5. 森の人々
6.ベイビー・ラヴ
7.降誕節(カラオケ)*
8.踊れない
9.ベッド・ルーム・クイーン*
10.隣のインド人
(メンバー紹介)
11.昆虫軍
12.蛹化の女(カラオケ)*
13.パンク蛹化の女
*は『裏玉姫』には収録されていない曲。参考までに。)

ピンク PINK
福岡裕(g,vo)、岡野ハジメ(b)、矢壁篤信(ds)、ホッピー神山(keybord)、渋谷ヒデヒロ(g)、逆井おさむ(g)、スティーブ衛藤(per)

戸川純&ヤプーズ Jun Togawa & Yappoos
戸川純(vo)、立川芳雄(key)、石原智広(b)、泉水敏郎(ds)、スガラ・ヒガオ[比賀江隆男](g)、里美智子(key)


これ、一回聴いて、虜になりました。日本語の歌聴いて、こんなにいいと思ったことそれまでなかった(残念ながらこれ以後も。あっ、いや、ジャックスはいいかな)。

戯画化がいろいろな警戒心を解くんですかね。リアルなものがこんな風に提示されると、ストレートに持ち出されるとちょっと気恥ずかしかったり、気味の悪さに引いてしまうようなことも楽しみの対象になります。

或いは逆に、リアルなものの噴出が痛快だということですかね。まあ、よくわかりませんが、ともかく笑いながら切実だったりリアルだったりするものに怯むことなく触れることができる。非常に健康的。


『裏玉姫』(*)には収録されていない「ベッド・ルーム・クイーン」や PINKのバックによる「諦念プシガンガ」(絶品)、不謹慎にもヘラヘラ笑いながら歌う「蛹化の女」、またMCでのファンとのやりとりなんかも聴きものですが、極めつけは7曲目の「降誕節」。

(*)翌1984年4月25日に奇しくもカセット・テープで出たこの時期のライヴ。

えーっ。12月の…あっ違う。11月の25日か26日か27日か28日に、あの出る、アルファのオムニバスのクリスマス・アルバムの中から、「降誕節」という、クリスマス・ソングをカラオケで歌いたいと思います。聴いて下さい。

これ、戸川純自身による曲紹介。アルバム『We wish you A Merry Christmas』(*)A面最後の5曲目に収録された。

(*)細野晴臣、ムーンライダース、立花ハジメ、高橋幸宏、上野耕路、ピエール・バルー等が参加。CDで入手可。


We wish you A Merry Christmas
We wish you A Merry Christmas


ぐろぉ~
おおおおお~
おおおおお~
おおおおおぉ~、りあ
(グローリア)

いんえくせるしす、でぇいお
(in excelsis deo)


スタジオ・ヴァージョンも良いですが、ライヴ・ヴァージョンはまた格別。この声にやられてわたくしは戸川にハマりました。

ロリータ・ヴォイス(*)で歌われますから、この賛美歌をおちょくっているようにも聴こえます。でも通常のロリータを超えちゃってますねこれ。もうふざけてんだか真面目なんだかわからない。

(*)正しくは「ロリータ・ヴォイス」ではなく、「児童低学年ヴォイス」か。どこが違うかって? まあ、その手の声にもいろいろニュアンスがあるわけです、戸川には。

可笑しいんだけど、感動しちゃう。感動しつつ猛烈に可笑しい。たぶん、歌の上手い子供が歌ってもこんなに感動しないと思う。

単に子供が装われているだけじゃなくて、なんか実際に生い立ちやら何やらがある子供が生々しくそこに現前している感じ。本物の子供以上にリアル。しかも、非常に痛切で生々しいんだけど、笑っちゃう。異才戸川純の魅力が遺憾なく発揮されたパフォーマンスになっちょります。


他にもカセット・テープ、まだ何本かありますが、今回はこの辺にしておきます。

いや~楽しかった。ルイ・アームストロングに始まって、アルバート・アイラー、デレク・ベイリー、戸川純。どれも本当に久しぶりのご対面で非常に懐かしかった。

さて問題です。この4者の共通点は何でしょう。同じ時期にわたくしが聴いていた音楽? 確かにそれもありますが、みなさんそれぞれでよく考えてみてください。宿題です(うそ)。答えは教えてあげません。


そんなこんなでカセット・テープに夢中になってしまい、すっかり初コルトレーン、忘れてしまった。結局、2008年になってまだコルトレーン聴いてないっす。(>_<)

ところがきっかけは思わぬところから現れた。 (つづく)

 
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