リハドクターKのたわごと
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病気は治してもらうものではなくて、なるべくならないに限る

『病気になったら病院に行って、医者に治してもらえばいいや。』

と考えて、食生活めちゃくちゃ、運動しない、ストレス満載な生活をしている方は本当に多い。

 

『病気にも治るものもあれば治らないものもたくさんあるんですよ。』

...

と知らない、もしくは認めたがらない方も多い。

 

 

私は脳卒中後遺症など、『治らない』病気を相手にしていて、一旦脳の病気になると手足の不自由さや言語障害など後遺症が残る患者さんが多い。

 

『この手をもっと動くようにしてくれ。』

 

と何百人、何千人に言われたかわからない。でも頭の神経が強く損傷すると、よほどでないと元には戻らない。そうなると将来を悲観して鬱状態になる方があとをたたないのだ。

 

 

病気になったら治してもらう、という考え方から『病気になる確率を少しでも減らせるか?』ということを本気で考える必要があると思います。

 

 

先日、新聞に掲載された衝撃的な記事。

『糖尿病 初の1000万人』

 

詳しいことは省きますが、糖尿病の90%以上は生活習慣の悪化が原因と言われます。食生活、運動不足、ストレスなど。罹患したら『治る』ことはあまりありません。薬や運動などで『コントロール』するしかないのです。

 

 

そして糖尿病は軽度から中等度の間は症状があまりでません。症状が出た頃には目が見えない、透析する、足が腐って切断するなどというミゼラブルな状態になります。

 

 

そして糖尿病患者は脳卒中や心筋梗塞のリスクファクターでもあります。脳梗塞の30%から50%の患者は糖尿病を持っています。

 

 

治らない病気の大元を占める糖尿病。かかってしまったら大きな病気の引き金になりかねないので、なる前にいろいろ対応しなければいけません。

 

大きな病気にかかって医者に文句を言ったり、他の人のせいにする前に『病気になりにくい生活』を考える必要があると思います。

 

 

医者や病院からみれば、そういった重症な患者さんが増えれば、収益が増えますが、社会的な損失はかなり大きいと思います。

『病気になったら病院に行って治してもらう。』という考えを脱皮できる社会であってほしいなぁとこの記事を見て思いました。

 

よほどの救急でない時以外は診療時間を守ってほしいものです

先ほど若いお姉さんからこのような電話での診察依頼がありました。...

 

お姉さん「今日の朝から風邪気味だったけど、仕事が休めないので今から診てもらえますか?熱はないんですが。」

 

私「ゆっくり休んで明日の朝からの診療時間帯で受診ではダメでしょうか?」

 

お姉さん「明日も仕事でだめなんです。」

 

私「うちの病院、夜間時間帯は検査も何もできないので下手に薬をだせないけど、、、」

 

お姉さん「それじゃ、いいです。」

 

と切られました。夜間は基本的には救急時間帯であって本来ならば通常時間帯に来るべきなのにね。昼間だめなら夜遅くまでやっている医療機関に罹ればいいのに、と思う性格の悪い医者です。でもね、こういったコンビニ受診はやめて欲しいものです。

 

薬なんてなるべく少ないほうがいいに決まってる

リハビリテーションの一環で入院患者さんの『服薬の自己管理』の評価を行います。きちんと説明した上で、きちんと自分で間違えずに薬を服用できるかどうかをチェックします。

 

 

明らかに記憶障害などの高次脳機能障害が強かったり、認知症が強かったり、嚥下障害がある方には行いません。この患者さんなら大丈夫そうだよね、と言った患者さんにこの評価は行いますが、再三再四説明しても薬の飲み間違え未遂や実際飲み間違えが多かったりします。

朝飲んだ薬を飲んでないと勘違いして、次の日の朝に飲むべき薬をその日の昼に飲んでしまったり、飲むべき薬を飲まずに捨ててしまったり、、

...

他者の目が入っている病院ですら間違える方が多いのだから、外来でフォローされている患者さんの『誤薬』『残薬』『廃薬』はきっとすごいことになってるんだろうな。

一説によると糖尿病患者の服薬管理困難な患者は相当多く、かなりの割合で低血糖で救急車で運ばれるか、死亡例も多いと言われます。

病気だから薬を増やすという『足し算の発想』からどのように薬を減らすかというような『引き算の発想』にシフトしていってほしいものです。

 

 

急性期の医者 生活期の医者

『コードブルー』のような特殊救急医療をやっていたり、『ドクターX』のように「わたし、失敗しないので。」と言いながら難しい手術に携わっていた方が医者としてはカッコいいとは思います。若い医者がそういったカッコいい現場にあこがれるのは当然かもしれない。

 

 

先日、私より20近く上のうちの院長先生とこんな話をしていました。

 

『最近の若い医者は急性期でしか医者をしてないので、急性期が終わった後の患者のことは知らない。自分が受け持ってた患者ですら急性期が終わったあとに何かあっても「なんでまた来るの?あとは慢性期に診てもらってよ。」と追い払ってしまう。慢性期の医者を低く見ていて横柄な態度なんだよ。』

...

急性期の集中的な治療が終われば、手術が終われば俺の仕事はおしまい、という考えの医者は確実に増えている印象があります。まさに病気は見るけど人間は診てくれないんだよなぁ。

 

本当は急性期の治療が終わってはじめて、その患者のリスタートが始まるんだけどね。その患者の痛みとか苦悩とかを共に考えるのが本来の医療じゃないか、とふと思ったりします。

 

 

急性期しか興味がない医者が増えることにより日本の医療は更に劣化していくようなそんな気がします。

 

 

さてさて夕飯も食べたし、おやつでも食べようかな。今日も自分におつかれさまのご褒美。